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僕らのツアー選手権 / 昨年覇者の選手権
試合のない開催週に、関わる人たちみんなで改めて、5年シードのこのタイトル戦について考えてみるシリーズ「僕らのツアー選手権」。
本来の最終日にあたる6月7日も過ぎて、いよいよ佳境に。
実は、2011年大会から初V者が続いている。
昨年大会も、その連鎖を途切らせなかった。
おりしも20回の記念大会。
メモリアルにふさわしい数奇な勝ち方で、初優勝を達成したのは26歳の堀川未来夢(ほりかわみくむ)。
初日のスタートから6連続バーディ。いきなり会場を驚かせた。
2日目は落雷と濃霧のため順延となり、同組のジャンボも崔虎星(チェホソン)も棄権。3日目の早朝に再開した第2ラウンドでは、残り6ホールをたった一人で消化して、首位を守った。
続く第3ラウンドの17番は、481ヤードと距離のあるパー4で、フェアウェイから6アイアンを持った193ヤードの2打目が、なんとカップイン。
最終日は、同期で賞金王の今平周吾を4打差でみごとに振りちぎった。
ジュニア時代からお世話になってきた宍戸。
最初から最後まで、沸かせ続けた。
プロになっても冬の合宿や、日ごろのラウンドで、コースの難しさは知り尽くしていた。
だからこその苦手意識があったが、恩人らの前でそれもみごとに払拭。
試合中も、ロープの外には旧知の顔がたくさん見えた。
目の前で自身の初Vを見せられたことで、喜びは何倍にもなった。
「僕にとって『ツアー選手権』は何度でも勝ちたくて、何度でも恩返ししたい試合」。昨年の一度きりでは終わらせない。
来年、勝てば9年続いた初V者の流れはいったん切れるが、大会初の偉業は達成される。
20回の歴史で、連覇をした選手はまだいない。
実現できたら、たとえ1年越しでも喜びと感動は、昨年の倍にとどまらない。