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ZOZO CHAMPIONSHIP 2019
出だし3連続ボギーからの64。13年ぶりの日本でウッズが早々にメイクドラマ
13年ぶりに戦う日本の試合で、しょっぱなからファンの心をがっちりわしづかみにした。
この日初日のギャラリー数は、記録の残る92年以降としては2010年の中日クラウンズの1万3252人を抜いて最多。
米81勝。メジャー15勝。ゴルフ史に数えきれないほどの奇跡を紡いできた伝説の男は、1万8536人の大観衆の前で、目くるめくドラマをもう初日から開始した。
日本での試合は13年ぶり。再来を待ちわびた大ギャラリーにスタンディングオベーションで迎えられたインスタートの10番。
5Wか、3Wで打つか。迷った末に3Wで打ったというティショットは左の池。出だしから、3連続ボギーを打った。
「今日は出だしが悪かった。次から次へと悪いショットが続いた。見通しはよくなかった」と、沈鬱な幕開け。
「あの悪い出だしから、まさか6アンダーまで伸ばせるとは」。
張本人すら目を剥く猛虎の逆襲は、さっそく14番から始まった。
4メートルを沈めると、15、16番は手前1.5メートルと、3メートル。3連続バーディで最初の躓きを、あっけなくちゃらに。
18番のパー5で前半インの最終ホールをバーディで締めると、後半は3番から5メートル、3メートル、5メートルとチャンスを沈めて再び3連続バーディを記録した。
7番では6メートルも決まった。
今年8月に5度目となる左ひざの手術に踏み切るまでは、グリーン上でパットのラインを読む動作もままならなかった。
「去年の最後のほうは、それさえうまくできなかったが、今日はしゃがんでラインを読むことができるようになってよかった」。
日本で迎えた復帰初戦で順調な回復を、初日から実感できた。
この日最後の9番パー4は、右の林に打ち込み怒りをあらわにしたが、この第1打が幸運にも木に当たり、右のラフまで出てきた。
気を取り直して打った2打目は、ピン2メートル。
初日から激動の1日をバーディで締めくくると、満足そうに微笑み、大歓声に軽く手を挙げて応えた。
「こんなラウンドは、久しぶり。今日のバーディは、7番でフックラインを打った以外は全部、スライスライン」と本人も苦笑いで「今日は本当にクレージーな1日だった」。
13年ぶりに戻った日本は、初開催の米ツアー。記念すべき初日の開始早々に、劇的展開で久々の来日挨拶だ。
「今日は本当に多くのファンが来てくれた。日本のみなさんの前でプレーするのはとても楽しい。この声援が待ち遠しかった」。
恋焦がれた日本で、これほどのドラマもまだ序章だ。