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長嶋茂雄INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 2019
タイのジャズが日本の若手と切磋琢磨
堂々、賞金1位で戦いをリスタートさせるのは、タイ出身の23歳。
今季海外初戦の日亜共同主管「SMBCシンガポールオープン」を制して日本ツアーに加わったジャズ・ジェーンワタナノンドは、さらに5月の全米プロで2日目2位。結果16位タイでも、賞金2060万7820円を日本の賞金ランキングに足す大活躍だった。
細身だがしなやかなスイングで、軽く300ヤードは飛ばす。
それでいて、フェアウェイキープは現在2位。
平均ストロークとパーキープ率、トータルドライビングはいずれも1位と無類の安定感で、トップ10入りは3度とスキがない。
本名はアティウィットだが、ジャズ好きの父さんがつけたニックネームを、14歳のプロ転向時にそのまま登録名とした。
15歳の2011年に日本デビューを飾った「アジアパシフィック パナソニックオープン」では、予選通過の最年少記録を作った。
主戦場のアジアンツアーでは、2017年の初Vを合わせて通算4勝と実績を重ねて将来は、米ツアーで活躍するのが目標だ。
そのため飛躍の今季はこのまま日本でのキャリアアップに主眼を置く。狙いは10月、日米共催&日本初開催の米ツアー「ZOZO選手権(千葉県・習志野カントリークラブ)」だ。
日本ツアーは10月のブリヂストンオープン終了時の賞金ランク上位7位までの選手に権利が発生する。
優勝賞金は約2億円。
エントリーが実現すれば、夢をかなえる大チャンスである。
すでに同選手権への出場を表明しているタイガー・ウッズもまたタイにルーツがある。
「でも彼は米生まれの米育ちだから…」と、口では言いながらもウッズの写真をひそかにお守りに持ち歩くなど、憧れの人との対戦もまた楽しみ。
「僕もぜひ出たい」。
約1500万円差の賞金2位には賞金王の周吾、同3位に浅地、4位は堀川、5位が星野、6位には石川遼…と、日本の若手包囲網にタイのジャズがまた次週から、孤軍奮闘する。