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日本オープンゴルフ選手権競技 2021
「サトシと、手嶋さんと、そして僕と」池田勇太は2日目も一心不乱
初日に続き、歴代覇者3人の組み合わせは朝から次第にギャラリーを増やして行った。
「アメリカから帰ったばかりのサトシと、シニアオープンのチャンピオンらしい手嶋さんのゴルフと、そして僕と」。
小平智は15年大会の覇者。
米ツアーからいったん戻って、来季に備える32歳はこの日、16番のイーグルを含む「66」。
1差の通算10アンダーにつけた。
また、2001年大会を制した手嶋多一は今年9月の「日本シニアオープン」で史上4人目の”2冠”を達成したばかり。
いま旬の53歳も粘って「67」。通算4アンダーと順位を上げてきた。
「予選ラウンドから凄く見応えのある組み合わせにしていただいた。ギャラリーにも喜んでもらえたと思う」と、池田勇太はその点でも大満足だ。
14年と17年の大会2勝のうち14年は池田が小平を1差で下し、小平が制した15年では池田が1差に敗れている。
「14年は俺の20代最後の優勝だったんだ」と、ラウンド中に小平にも言ったそうだが懐かしい因縁もまたスパイスに、この日は池田もさらに5つスコアを伸ばして通算11アンダーで、午前組の首位に立った。
6バーディ1ボギーの「66」は前の木を避け、左のラフから転がし上げて、右カラーから”2パットパー”を奪った15番など、数字に表れないプレーも秀逸だった。
男子ゴルフは1ヶ月ぶりの有観客試合で、大会史上6人目の大会3勝目と、ジャンボ尾崎に次ぐ史上2番目の12シーズン連続優勝記録がかかるが、この日も頑固に繰り返す。
「タイトルうんぬんよりも、この大勢の前で優勝したい」。
いくつバーディでも、何回ナイスセーブできても誰も見ていなければ、池田にとっては無に等しい。
「これが本来のゴルフトーナメントであって、俺たちの仕事は魅せること。その気持ちだけ」。
週末もその一心で琵琶湖を歩く。