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フジサンケイクラシック 2021
2日連続の順延。大槻智春が波乱の暫定首位タイ
4日の朝7時半から残りホールを済ませて、第3ラウンドは8時55分から開始する。
こうして予定がずれ込むことで、思いがけない事件が起きることもある。
プロ11年目の大槻智春は、韓国のリューと石川遼と並んで通算5アンダーの暫定首位につけたが、それがなければ2打差の単独首位だった。
「びっくりして、何が起きたのか分からなかった」というのはスタート時。
早朝6時半から第1ラウンドの残り競技を再開したこの日は、第2ラウンドのスタート時間が当初より、25分遅れていた。
大槻のティオフは12時10分に変わっていたが、そこからなぜかさらに30分足した時間を念頭に、準備を進めていた。
「まだまだ余裕がある」と打撃練習を済ませて、パッティンググリーンに来た大槻を見つけてくれたのは、同組のスコット・ビンセントだ。
スタッフが慌てて駆けつけてきた。
「大槻さん、スタートです!」。
状況ものみ込めないままとにかく走った。
予定時刻から、いったい何分経過しているのか分からなかったが、とにかく5分未満の遅れで失格はまぬかれた。
「ティショットはさすがに引きずりましたけど。2打目からは上手くプレーができた」と、左のラフからピン5メートルにつけた。
1番ホールのバーディパットは、遅刻した分の2罰打を受けてボギーと化したが、そこから雨中の巻き返しはみごとだった。
「そもそもペナルティはないほうがいい。それでやる気になったというのはないですが」と、苦笑い。
「上手く処理するしかない」と、挽回を期す思いが、その後の7バーディを生んだのには違いない。
今年4月に、ふと思いつきからダイエットにトライ。
トレーニングと食事制限で、8キロ減に成功した。
心なしかシャツがゆるゆるに見えるのは、開幕間際に急に痩せたせいだが「気持ち的には朝でゲッソリ」。
スタートの大トラブルから一転、V争いにこぎつけた。
先週の「Sansan KBCオーガスタ」の4位タイで、今季10度目のトップ10入り。うち2位が2回。
「明日また、いい感じで回って最終日につなげられれば」。
今度こそ19年シーズン以来のツアー通算2勝目なら、この日の痛恨も払拭できそうだ。