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ISPS HANDA ガツーンと飛ばせ ツアートーナメント 2021
選手会長のげんちゃんがやっと覚醒「考えるな、体で感じろ!」
一体何が違うのか、選手会長のげんちゃんこと時松隆光は、自分でもわからない。
ただひとつ言えるのは「ゴルフはメンタル」。
それを痛感する2日目のラウンドだった。
「可もなく、不可もない。それまでと、特にゴルフに変化はないのになんでかな…」。
特に悪いところも見当たらないのに、7月の「日本プロ」から3戦連続で予選落ちを喫した。
9月以降も原因不明の不調が続いて週末を、自宅で悶々と過ごしがちだった。
今週も、イーブンパーの40位タイと出遅れ気味の前日初日。
プレー後の居残り練習では今までと意識を変えた。
「考えるな、体で感じろ…!」。
ひたすら打ち込み迎えた2日目に、7バーディ(1ボギー)の「65」。
首位と2打差の4位タイで、決勝ラウンド進出を果たせた。
「コースでもフェアウェイの真ん中打って、しっかり乗せてというのがほぼ出来て。パターにも苦しむことなく本当、何か月かぶりくらいに、やりたいゴルフができた」。
わずか1日で、ゴルフが一変。
「なんでよかったのか。原因はわかっていないので、不安ちゃ不安」と、こぼすが「今まで練習で出来て、本番で出来ないというのが続いていたから…。やっぱり、メンタルの部分が大きいのかな」。
開幕前日のプロアマ戦表彰式では大きなヒントも得た。
新規大会主催の国際スポーツ振興協会(ISPS)の半田晴久・会長がその日、風呂場で一緒になったという片山晋呉との談話を披露。
長くゴルフを続けることのマンネリ防止法について、半田会長が片山に尋ねると「読書」と返ってきたそうだ。
そのきっかけも、片山らしい。
当時、日本人最高の4位につけた2009年のマスターズ。練習場で、たまたま隣で打っていたドイツのレジェンド、ベルンハルト・ランガーが、ショットの合間に本を読んでいた。
それを契機に、本を読み漁るようになったという片山のエピソードに「僕も読んでみようかな…」。
感化された時松は、さっそくその夜、コンビニの本コーナーに立ち寄ったがあいにく心をひく一冊には出会えなかった。
「まだ買えてないですけど、すごい良いお話だったので」。
近々、趣味を読書にするつもり。
表彰式では、選手会長として、とても励みになる半田会長のスピーチも。
JGTO会長の青木功の現在の体制を評価し、選手会についても「池田プロと石川プロを柱に、時松プロがいる。すごく頑張っている」と、褒めてくださったそうだ。
「選手会長は黒子だと思っていますので。なかなか、褒めていただくことは少ないので、すごく嬉しかった」と、それも力に。
オフは先輩プロのつてを頼って、新規のスポンサー開拓のための営業回りをしたり、「当たって砕けろ、じゃないですけど、僕なりに一生懸命やってます」。
2020年から2年の任期も残り少な。
19年の石川遼に続く、史上8人目の選手会長Vで、重責の総仕上げにかかる。