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Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント 2021
男も惚れる男。ビンセントの魅力
この日は水シャワーはなかったけれど、互いに飛び上がってハイタッチ。
みんな自分のことのように喜んでいた。
南アのノリスら海外勢が作った祝福の輪の中に、プロ5年目の阿久津未来也(あくつ・みきや)が混じっていた。
外国人選手の”勝利の儀式”で、日本選手が参加するのはわりと珍しい。
「だって……ビンセント、かっこいいじゃないですか」と、阿久津は言った。
19年時に偶然、一緒の組で回ってから親しくなったという。
「話しやすくて、いつも優しくて、人柄も凄く良くて紳士で。人として凄く尊敬できる人」と、評した。
「ゴルフも上手いし、いつ勝ってもおかしくないと思ってました」と、国を隔てず応援していた。
「感動しました」と、ケルシー夫人との熱烈Vシーンを見届けた。
サングラスを外すと、澄み切ったグレイの瞳。
会場で会えば、いつも「オハヨウ」「コンニチワ」と、カタコトだけど日本語で、きさくに挨拶。
イケメンだけど人懐こくて、いつも穏やかな佇まいにスタッフの中でも、とりわけ男性陣にファンが多い。
男も惚れる男、ビンセント。
結婚して5年目になるケルシー夫人も当然、べた惚れだ。
「彼はいつも私を一番に扱ってくれるけど、それは試合中でも変わらないの。プレー中は、彼のほうが大変なのに、いつも私を気遣ってくれる。最高の旦那さんです」。
優勝の瞬間に、耳元で伝えた。
「あなたは私の誇り、と。彼は今まで本当に努力してきたの。だから、本当に早く勝って欲しかった。それが今日、報われて、最高にハッピーよ!」。
ジンバブエ代表として出場した東京五輪もキャディで支えて16位になったが、ケルシーさんの出身はアメリカ。
優勝会見で夫が話した「日本でもっと活躍して世界ランキングを上げて、いつか米ツアーへ」という思いは、むしろ献身の妻に捧げたい目標でもある。