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パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ 2021

「幸せ」。でも「さみしい」。思いが交錯する武藤俊憲は、高校生のエールで「頑張る!!」

1年待ったからこそ、かみしめるものがある。
19年覇者の武藤俊憲は「1年空きましたけど、ディフェンディングチャンピオンとして帰ってこられて幸せです」。

兵庫県の東広野ゴルフ倶楽部で行われた19年大会では今平周吾と石川遼と、タイのジャズもまとめて若い実力者を、一網打尽に。

「いま思えばよくあの3人に勝ったなというのが正直なところ。それだけいいゴルフが出来たということですし、あの3人に勝った事は自慢できる」と、2年経っても余韻は残る。

昨年は今大会だけでなく、ほとんどのトーナメントが開催中止に追い込まれた。
「毎年、試合があるのが当たり前というのがずっと続いていて…。特に去年前半は、何をすればいいのか。練習しても、何のためにするのか」。
目標が持てるのも試合があってこそ、と気づかされた。
試合がひとつなくなるたびに「プロゴルファーは試合があってなんぼだ」と、ありがたみを痛感する日々だった。

今年、やっと1年越しの連覇を狙える。
「とにかく頑張って、優勝する姿を皆さんにお見せできる様に」と意気込むが、2年ぶりの開催は残念ながら無観客に。

今大会では毎年、期間中にプロとジュニアたちとの交流イベントを開催して育成につとめてきたが、コロナ禍の今年は地元高校生による前回覇者へのインタビュー体験会も、地元大学生によるレッスン会も開幕前にオンラインで実施。

子どもたちとも画面上での対面で「さみしい…」と、つい本音もこぼれた。

「やっぱり僕たちプロは目の前でギャラリーのみなさんに応援してもらって、優勝しておめでとうって言ってもらえることがすごくうれしい」と心情を吐露。

「でもコロナになって、見に来ていただけなくなって、良いショットをしてもナイスショットと言ってもらえず、達成感も喜びも半分に…。ギャラリーのみなさんのありがたみを感じています」。

プロの切ない気持ちを察したジュニアたちに画面の向こうから「頑張ってください」「応援しています」と、エールをもらって「ありがとう〜〜〜!」と、奮い立つ場面もあった。

19年大会で得た複数年シードを駆使して現在、スイング大改造中だ。
「長くゴルフをしてきていて、パーシモンとバラタの飛ばないボールとクラブでゴルフをしていた癖が残っている。今の時期に一掃を」と試行錯誤を重ねる影響で、今年はまだ5月の関西オープンの47位が最高。

予選通過できた試合より、予選落ちをした試合のほうが多く、20−21シーズンもいよいよ後半戦に突入したというのに賞金ランキングもまだ100番台。
心配したファンから、激励のメッセージが毎日たくさん届く。
「今は下に沈んでいる状態ではありますが、出口はちゃんと見えています」。
今週こそ結果を出して安心させる。

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