3アンダーで最初に上がってきたときは混戦に紛れていたが、終わってみれば豪州のディラン・ペリーと、飛ばし屋の幡地隆寛(はたぢ・たかひろ)と並んで首位に立っていた。
43歳の高山忠洋(たかやま・ただひろ)が、午前中に最大瞬間風速16メートルを記録した初日に5バーディ、2ボギーの「67」。
3アンダーを記録した。
ボギーなしの5アンダーまで伸ばして迎えた後半。
「アウトコースはめちゃくちゃ難しい。特に4番からは御殿場のアーメンコーナーです」。
しかも510ヤードもある6番のパー4はこの日は右からの超逆風。
そこからの連続ボギーは諦めがついても「まだ楽なほうの8番で、手前から1.5メートルのチャンスを外したのが悔しい」。
単独の首位獲りを逃して残念がったが、「1打1打感謝をこめてプレーしたのがつながったと思います」と、頭を垂れる。
17年まで16年シードを守ったが、18年から目の病で離脱して、昨年9月にようやく復帰。
公傷による特別保証制度の適用を受けて、今年7月の「日本プロ」から9試合で復活を目指したが、失敗。
残りあと54万円ほどだった。
「でも、惜しいところまで頑張ったというのをメディアのみなさんが報道してくださって。一生懸命プレーしたのにと、心に響いて僕を試合にに出させてあげようとしてくださった方々がいた」と、出場資格を失っても、AbemaTVツアーも含めてその後も主催者推薦の申し出が相次いだ。
おかげで現在は、来季の賞金シードも余裕のランク29位(2664万1368円)に上昇し、今週もまた主催者推薦を受けてプレー。
「本当に感謝しかありません」と思いがこもる。
「今季はシードを取り返すところからひと段落ついて、目標もひとつ上がった」と今、目指しているのは上位選手しか出られないシーズン最後の頂上戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の出場権を獲ること。
「今年最後にいい締めくくりができるように。しっかりと稼いでいきたい」と、富士のすそ野を踏みしめる。