記事

三井住友VISA太平洋マスターズ 2004

熾烈!シード権争い 9位タイの矢野東、13位タイの宮里聖志

「ホっとした・・・のが本心だけど、まだまだ気は抜きませんよ!」(矢野)
吹っ切った途端、道が開いた。9位タイで、2週連続のトップ10入りを果たした矢野東が、3年連続のシード権に、当確ランプを灯した。

シーズンも半ばを過ぎたころは、賞金ランクのことばかりが気になった。「(来季のツアー出場権をかけた)ファイナルQTには行きたくない」と、そればかりを考えながら戦っていた。

だが、2週前に「今年、20試合以上もやってきてダメだった人間が、あと5、6試合であがいても無理。それより、残り試合で良いゴルフを心がけてファイナルQTに行こう」と、覚悟を決めた。

その翌週のアサヒ緑健よみうり・麻生飯塚メモリアルで9位タイ。

「良い意味で開き直ったら、気持ちの余裕がでてきたんですね」。
さらに翌週の今大会で、ほぼ圏内の賞金ランク68位まで浮上した。

「とりあえず、ホっとした」のが偽らざる本心だ。しかし、まだまだ予断は許さない状況だ。ツアーは年々ボーダーラインが底上げされて、シード権争いの選手たちにとって最終戦となるカシオワールドオープンでは、ここのところ毎年、大どんでん返しが繰り広げられてきた。
「周囲は、『もう大丈夫』と言ってくれるけど、状況は、自分がいちばんよくわかっている」と、残された2試合も、気を抜くつもりは毛頭ない。

ほかに今大会13位タイにつけた宮里聖志も、がけっぷちにいる選手のひとりだ。2002年以来のシード権復活には今週、せめてトップ5入りして、出場権のない次週のダンロップフェニックスの出場権を手に入れたかった。

「今日は同じ組の矢野君と励ましあいながら、一生懸命にやったんですけど…。もうちょっと、足りなかった。明日から、サードに行ってきます」。

最終戦となるカシオワールドオープンの出場を前に、出場予選会のQTサードステージに挑戦し、ファイナルステージへの切符を、ひとまず確保しておく段取りだ。

  • 「なんくるないさ」魂で、2002年以来のシード権奪還を狙う宮里

関連記事