新・選手会長の谷原秀人を中心に構成される通称『幹部会』の中で最年少の28歳。
谷原は、43歳。堀川がプロとして覚醒をはじめた2017年からヨーロッパを拠点に日本を留守にしたから、なおさら世代間ギャップは否めなかった。
「今までほとんど接することもなかったし、話しをしたこともない。どういう選手かもわからなかった」と、谷原は言う。
それでも、副会長に指名したのは堀川と同世代の選手たちからの推しが非常に多かったからだ。
「みんなが『ミクムはもの凄くツアーのことを考えているんですよ』というので」と、推されるまま任命。
直後の幹部会議で「これは面白い!」と、谷原もさっそく適任を確信したそうだ。
はきはきと、理論立てて意見を述べる説得力はさすが、動画チャンネルで現在17万6000人のフォロワーを抱えるだけのことはある。
アイディアの宝庫で、何より「もっとゴルフ界を盛り上げたい」という熱量に溢れていた。
「この2年(の任期)ですべてを変えたい。この2年でツアーが良くなるとしか僕は思えない。2年後に男子ゴルフの人気は必ず右肩上がりになる」と、本気のプラス思考も戦力だ。
昨年11月の「カシオワールドオープン」で、パットのイップスと格闘しながらツアー2勝目をもぎ取ったが「いまも全然、本来の自分に戻っていない」と明かす。「でも、なんとかホールアウトはできるので」と、深い悩みも笑い飛ばす。
オフは毎年、母校・日大のゴルフ部合宿に参加。
「今の自分があるのは和田(光司)監督のおかげ。本当にお世話になったので。少しでもお役に立てれば」と、学生たちに混じって率先して汗を流し、「これからプロを目指して頑張っている子たちのエネルギーは凄い。彼らと一緒にやることで、当時を思い返して自分の熱量もまた上がる」と、初心に返って開幕の時を待つ。
今年の目標は「賞金王とか優勝とか。もちろん色々あります。でも今年は、自分の成績にガツガツするだけでなく、今まで以上に応援してくださるファンやスポンサーの方々のためになることを重視していきたい」と、使命に燃える。
「もっと会場に足を運んでいただいて、見に来てよかったなと言っていただけるように。視聴者の方々の満足度も上げたい。応援してくださるすべての方々に貢献できることをたくさん考えて、実現していきたい。谷原さんたちと一緒に男子ツアーを変えていく」と、言い切った。
「谷原さんと一緒なら、ツアーは絶対に良くなっていくと信じられる」と、堀川未来夢は確信している。