「しんどかったあ~」と、開口一番。
上がった直後のアドレナリンで、「何から話そう……?? ちょっと待ってください」と、頭が混乱。
頬も紅潮し、思考が上手く回らない。
空を見つめてまず、最初に浮かんだのは、風と、難しいピン位置とでずっとパーで耐えに耐えて迎えた前半最後の9番パー5で、ボギーを叩いた痛恨の記憶。
最終日は首位と7差の4位タイからスタートした。
困難を承知で、大きな目標を掲げて出た。
「優勝を目指してやっているのにバーディが1個も獲れないまま、最初にボギーが来て、何やってんだ、と。自分に腹が立ったといいますか、もっとがんがんいかないといけない。僕の中でいい意味で切り替わったことで、そこからアグレッシブに攻められるようになった」という。
その分、ハーフターンの10番から、11、12番とシビアな2メートルのパーパットを残すピンチが立て続けに。
「でも、それが全部入ってくれて。耐えたご褒美」と、次の13番でやっと獲れた6メートルの初バーディを、終盤への起爆剤にした。
15、16番で、いずれも2~3メートルの連続バーディを沈めて「69」。
晴天が戻ったこの日は週末の大ギャラリーに、今季からウェア契約を結んだアパレルメーカー「V12(ヴィ トゥエルヴ)」の半袖限定ミッキーマウス柄をお披露目できた。
デザインのインパクトと裏腹に、「スコアは地味になってしまった」と悔やむが、通算スコアは8アンダーまで伸ばせた。
「優勝にはほど遠いスコアですけど、前半9番でのミスをひきずらずに最終的にはアンダーで上がれた。最後まで食らいつくという気持ちがスコアに出せたかな」と、ミッキーさん柄の胸を張った。
この日は最終組のひとつ前で、岩田寛と池田勇太に挟まれプレー。
「凄い方たちと回らせていただいて、本当に凄く緊張しましたし、ご一緒に上位争いができたことで、より明確に自分に足りないものが見えてきた。これで満足することなく、もっともっと練習が必要です」。向上心も高まった。
お父さんの仕事の関係で、マレーシアに移住するまで2年間を過ごした岡山県の作陽高校で、1つ後輩だった渋野日向子さんが、今週の米女子ツアーでV争いの末に、2位に入ったことも刺激に。
「僕も負けないように頑張って、スーパースターの後輩からまた連絡がもらえるくらいの活躍ができたらいいなと思います」と、話した。