この日3日目は、4人タイの首位だったが、嘉数は最終組のひとつ前に組み込まれて善戦。
右手前20ヤードのラフからチップインした4番から3連続を記録するなど前半4つのバーディで、堀川と併走した。
「後半も状況は良かったが、一筋違って入らない、というのが続いた」と、後半12番で、5メートルを逃してボギーを叩いたあと伸び悩んだが、危なげなくパーを重ねて通算11アンダーで回りきった。
レギュラーツアーでは初となるが、2週前のABEMAツアー「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP CHALLENGE in FUKUI(ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップイン福井)」では最終日最終組を経験したばかり。
アマチュアの高宮千聖(たかみや・ちさと)さんに1差で競り負けたが、その時のゲーム運びに大きな手応えをつかんだ。
レギュラー昇格をかけた、いわゆる二部ツアーとはいえ「どのステージ、どのレベルでも優勝争いはシビれるし、緊張するもの。自分の思考回路次第でバタバタすることもあると思うんですけど、直近の優勝争いが効いているかなと思います」と、ABEMAの経験を、プロ日本一の舞台でも応用し、首位との3差も「追いかけるほうがやりやすい。上だけみてガンガン行く」と、追い風にする。
プロ13年で幾度かV争いの経験を経ながら、2018年にやっとつかんだシード権もすぐ翌年に陥落したが、「当時は絶対的に力が足りてなかった。特にパットでそれを感じていた」と、謙虚に受け止め練習に明け暮れた。
この5月には「クロスハンドでは使えない」と思い込んでいたピン型のパターに持ち替えたことも、「やってみると意外と振りやすい。めちゃくちゃハマった」と、向上につながっている。
「明日も弱い自分と強い自分がいると思うが、弱い自分に強い自分が勝てたらいいな」。
沖縄県名護市出身の32歳。
日本タイトルのツアー初優勝で、復帰50周年を迎えた故郷を“ちむどんどん”させる。