怒濤の2022年を有終の美で締めくくった。
「プロ転向してすぐこういう舞台に立たせてもらい、凄く良い経験をさせていただいた」と、喜んだ。
当日朝は、開会式でステージパフォーマンスを披露した後、スタート時間を待つ間にチームみんなで集合写真を撮ろうとなった。
1番のティーフェンスには、各出場選手の今年を象徴するVポーズ写真が劇画チックに描かれており、出場選手たちにとっても絶好のフォトスポットである。
だが、蟬川は「僕の……他になかったですかね??」と、照れ笑い。
おそらく、史上初のアマ2勝目を飾った10月の「日本オープン」時の写真と思われるが、あまりに気迫のこもった表情に、他メンバーたちも「タイガのだけめちゃくちゃ気合い入ってない?」などと、感心しきりだった。
9月の「パナソニックオープン」共に底抜けの負けん気がもたらした快挙だった。
「2勝とも、自信満々で試合に臨むことができたおかげ」という偉業達成の契機は、6月のABEMAツアー「ジャパンクリエイトチャレンジ in 福岡雷山」で、史上5人目(現在は7人)のアマ優勝が飾れたこと。
同学年の中島啓太(日体大)の活躍に隠れて、引け目を感じていた“劣等生”が一気に覚醒。
世界アマランク1位も踏襲し、「今年はQTから挑戦する予定でしたが、行かなくてもよくなった。人生を変えてくれた試合」と、感謝する。
10月31日の転向後はプロとして4試合を経験。
「早くプロ初優勝を」と、意気込んだが年内の実現はなかった。
「アマのときみたいなイケイケな感じが、少しなくなってしまっていたのかな…」と、アマ時の功績で「特別賞」をもらった12月5日の部門別表彰「ジャパンゴルフツアー表彰式」では反省も少し。
「技術も、精神面でも日々、課題が浮かんできて、毎日学びでいっぱい。自分の夢はまだ先にあります。少しずつでも近づけるように、オフもしっかり取り組みたいと思います」と、思いを新たにした。
来春に控えた東北福祉大の卒業式を前に、ひと足お先に歩みを始めた“新入社員”は、「来年、就職する子たちもいま死ぬほど頑張っていると思う」と、同級生たちの努力を思う。
「僕も、休んでいる場合じゃない。ゴルフという仕事で頑張って、いつか一流になれたらいいな、と思います」と、社会人の誓いを立てた。