記事
サントリーオープン 2002
<上位選手のトピックス> 「小さなことから、コツコツと」
インタビュールームに呼ばれた深堀は、座るなり、「ご無沙汰しています」と、報道陣に、頭を下げた。
約10分間の質疑応答。
深堀から、最後まで、威勢の良い言葉は出なかった。
5月のフジサンケイクラシック4日目に、ろく軟骨を剥離骨折して、戦線離脱。
約1ヶ月間のブランクのあと、復帰4戦目になる今週、ようやく、光が見えてきた。
懸命のリハビリで、ケガはすっかり完治した。
たまに、「スライス球を打ったりしたときだけ」、患部に激痛が走ることもあるが、それも心配するほどではなく、残す課題は、精神面のリハビリだけという。
「他のみんなは、厳しい戦いを経てここにいる。それに対して、僕は長いブランクで、優勝争いの場面での、自信がやっぱり、まだ持てないんですね…」
だから、たとえいま、2位タイにつけていようとも、いきなり、今季初優勝などという「大きなことは言えないんです」と、深堀は、慎重に言葉を選んだ。
「今は、小さいことからコツコツと(笑)。徐々にこの状況に慣れていって、自信を組み立てて…。そうやって、いずれ本当に、“元気”になりたい!!」
言葉のひとつひとつに、実感がこもっていた。