プロ8年目の杉本エリックは、千葉県生まれで本名拓也。
生まれてすぐお父さんの仕事で米カリフォルニア州サンディエゴに移住し、ザンダー・シャウフェレとは9歳からの幼なじみ。
日本語も上手だが、白熱するとネイティブ英語でしっかりと自分の意見を述べるし、対立も恐れない。
午後スタートの初日は、グリーン上でも救済を受けざるをえないくらいの雨量に、「プレーを続けるのはどうなんですか?」と、前半17番で競技委員に訴えた。
その後、14時47分に中断されたが、15時23分に再開される間に自問。
「弱気になってるんじゃないのか。いろいろ言ってないで、どんな状況でもゴルフをしろよ」。
はっぱをかけ、再びコースに出た18番で1.5メートルのパーパットを拾い、「そこから上手く自分の世界に入れた」と、後半アウト9ホールは、3番から4連続バーディが来るなど「29」。
午前組の首位と肩を並べる8アンダーで回ってこられた。
今週は選手会の主催大会だがエリックは選手会の理事メンバーではないため、何か大きく運営にかかわっているわけではない。
「僕は詳しくはわからない。ただ、白いボールを追っかけているだけ」というが、「みんなめっちゃ努力して、この試合を作ってくれている」。
仲間の思いは伝わってくる。
「スポンサーのみなさまのおかげで試合があるのも、間違いなくありがたいこと」と、白いボールに感謝を込める。
初優勝はもちろんしたい。
「簡単に優勝したい、と言えますけど、そこにたどり着くまで辛い思いとかもある」。
今季2度目の決勝進出を果たした先週の韓日「ハナ銀行インビテーショナル」も、3日目を6位タイから出ながら最終日の「77」で39位に終わった。
「結果はまた別として。今は自分がコントロールできることをして、自分の納得できるゴルフをあと3日」。
葛藤を乗り越えた先に栄光が待っている。
※当初、事実の前後関係を誤って記載しておりました。選手ご本人と関係者の皆様にお詫びして修正いたします。