賞金王は2010年と2015年の2回。
アマ時代には、あまりの強さに鬼と呼ばれた。
大会主催の新韓銀行所属。
韓国の金庚泰(キムキョンテ)が今年、初めて日本ツアーのスコア速報に、3アンダーで名前を載せた。
久しぶりに“鬼ぶり”を見せた。
非凡を発揮したのは1オーバーで折り返してすぐ1番だった。
5メートルをパーセーブし「そこからリズムがよくなりました」と、次の2番はチップイン。
「グリーン奥まで行ってしまった」という第3打は「芝があまり生えていなくて、砂が多くて、あ、これ無理だ」と、プレー解説の日本語も、相変わらず秀逸。
「5アイアンで転がしたらそれが入っちゃった」と、そこから圧巻の5バーディでみごと挽回。
18、19年賞金王の今平周吾(いまひら・しゅうご)と、予選ラウンドのキング対決で、好プレーを披露した。
週始めから、食あたりか「お腹を下しちゃって」と、げっそりしながら好発進。
「きょうも何も食べていない。4日間で4キロ減った」と、ほっそりしながら、ホームで鬼の強さをアピールだ。
中島啓太(なかじま・けいた)が世界アマランク1位を独走していた当時、憧れたプロの一人がキョンテだった。
「そうなんですか? 知らなかった・・・」と、びっくり。
「毎週、チェックしています」という日本ツアーで賞金レースを争い、現在2位につける新鋭から受けた思いもよらない賛辞に「あんなにいい選手から言われて幸せですね」と、久しぶりに鬼の微笑みもこぼれた。
2021年の開幕戦でコロナに感染。高熱と、肺炎を併発し、陰性後もめまいや後遺症に苦しんだ。
本調子に丸1年かかり、ようやく完全復帰を目指した昨年は今度、開幕前にあばらを骨折。
予選落ちと棄権が続き、ランク115位で日本ツアーは無念のシード落ちを喫した。
今季は背中痛を発症するなど、鬼のかく乱が続くが「日本ツアーがほんと好きなんで。治ったら帰りたい。来年、戻りたい」と、母国韓国との共催試合で、日本ツアーへの復帰も熱望していた。