記事

パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ 2023

仲が良いからこそ難しい「気になって…ほっとしました」ヨンハンが夢の完全Vへ

風に吹かれて宋永漢(ソン・ヨンハン)が、辛くも3日連続首位を守った。




「きょうは練習からグリーンも速くなったように感じて。難しかった」と、悩ましいのは難条件だけではなかった。

この日の強風同様に、ヨンハンが扱いあぐねたのは、3日目の最終組で当たった相手。


3つ上の永野竜太郎(ながの・りゅうたろう)は、ヨンハンが2013年の日本ツアーデビュー戦「タイランドオープン(日本とワンアジア共催)」の予選で初めて一緒に回った日本選手だ。

「すごく性格がよくて、あのときから好きでした」と、告白。

以来、ますます親交を深めてきたが、V争い時はむしろそれが足かせに。


「なんかね…」と、口をとがらせ「僕がいいときも、悪いときでも竜太郎さんが変な目で見てくるから気になって…」と言い返したりじゃれ合ううちに、ときどき前と離れて、慌てて駆け足。

「すごく楽しいんですけど、なごやかすぎてやりにくい…」と、仲が良いからこその難しさに苦笑した。


この日は、永野が2打差の3位にとどまったことで、最終日の最終組からは外れた。
「ほっとしました」と、冗談めかして笑わせたが、この日のスタートホールの永野のワンオンバーディには、改めて羨望。

「ドライバーが凄かった。竜太郎さんは全部飛んで、曲がらない。2打目は短いクラブしかもってない。見て勉強しました。凄かった」と、最終日は前と後ろで離れても、もっとも怖い敵には違いない。


8年ぶりの通算2勝目を飾った「Sansan KBCオーガスタ」は2日目、3日目共に首位だったが初日は14位タイからのスタートだった。

「ワイヤートゥーワイヤーはまだしたことがない。ゴルフ人生で出来るチャンスはあまりないでしょう? 明日、もし優勝できたら…」。

どんなに親しい先輩でも、完全優勝の大チャンスは譲れない。



関連記事