大歓声にまみれてガッツポーズを作った片岡の勇姿を奥のJGAマーキー(VIPテント)から見下ろしていたのは、アダム・スコット。
残念ながら予選敗退していたが、この日ふいにコースに現れ、主催者さんに挨拶して回っていた時だったそうだ。
「入れるつもりで打ちました」という片岡の果敢なトライにたまたま出くわし、テラスから拍手喝采していた。
その前の17番ではボギー。
「フラストレーションがたまっていた」。
さらに18番では「球がふけて飛ばなくて。あと2ヤードだったら池でした」とあわやの2打目からの発奮。
「よく耐えたと思ったら最後にご褒美がきた」。
イーグルで一気に通算4アンダーの2打差3位に浮上。
「なんぼ伸ばすとか、言えるセッティングではないので。目の前の一打をどうしようか考えて、上がってみたら66でした」と、ふいにチャンスに恵まれ喜んだ。
いつもどこかスイングをいじっていて、最近では早くも来季に向けた試行錯誤を始めており、「きょうは練習場からバラバラでした。80は打つんじゃないか」というスタート前の懸念も、この選手の日常になりつつある。
「1週間に2、3回はあります、行けるという日のほうがない。悪い時はとことん悪い」。
それでもJGA仕様の難コースに合わせて「きょうはスイングスピードを7~8割ぐらいに落として安定させる。試合用のスイングでやったのが上手くいった。出だしもまさかまさかのバーディ、バーディ」と、1、2番の2連続を含むバーディ6つで善戦。
「良い流れに乗って行けた」と、スコットもまとめて土曜日の茨木を沸かせて戻った。
「僕は落ちこぼれ。話しかけづらい」と冗談めかすが片岡も、現在賞金1、2位を走る大学後輩の金谷や、中島らと同じ元JGAナショナルチームの一員。
「僕は僕なりに頑張ります」と、自称・劣等生なりに主催者の期待を背負っている。
一昨年の「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」に続く通算2勝目なら北海道勢としては、初のオープン覇者になれる。
「それいいですね!」と、目を光らせ「優勝して一番を獲りたいです」。
どさんこVで最終日を沸かせる。