その層の中でも今年は特に、若者の姿が増えたのではないか、というのが報道陣や、関係者のみなさんの感想だ。
ひとつの理由として挙げられるのが、オーストラリアのミンウー・リーの存在感だ。
最終日も、リーのスタート時間が近づいていることに気付いた若者たちが、1番ティに向かって猛ダッシュ。
その中に、ひとり見覚えのある背中が・・・。
お兄ちゃんを応援にきた石川航(いしかわ・わたる)だった。
河本力(かわもと・りき)の日体大同期。
「ミンウーは僕らの世代に凄く人気があると思います」と、石川が言う通り、大学後輩の中島啓太(なかじま・けいた)や、中島と同学年の平田憲聖(ひらた・けんせい)も、リーに注目していることを明かしており、前週のアジアンツアーで30アンダーを記録した爆発力やスイングの美しさはもちろん、若者たちが絶賛するのは、リーの場外活動。
石川も、「SNSが凄くカッコ良くて面白いんですよ」と言いながら、セカンド地点に向かうリーを追いかけ、ロープ際で早足。
「だから僕らの世代にはすごく有名人だと思います。凄く飛ぶし、僕も一度見ておきたくて・・・」。
このあとまた1番ティに戻って「お兄ちゃんを応援します」と、言っていた。
大会には石川のほかにも、男女プロゴルファーがたくさん来場。
日本開催のPGAツアーで熱心に学ぶ姿があった。
「日本の男子ゴルフも今は若い選手がたくさん出てきて、ミンウーみたいな活躍ももうすぐじゃないかなと思うんですよ」と、石川が話していたとおり、最終日は兄も含めて、22歳の平田と21歳の久常涼(ひさつね・りょう)の3人がトップ10入りした。
「僕もその輪の中に?? ん~・・・僕はまだ数年かかるかな・・・」(石川)。
2週前の「ACNチャンピオンシップゴルフトーナメント」ではベテランの谷口徹と予選ラウンドを回り、プレー後にはアプローチの指導を受けるなど「すごく親切に教えてもらいました」と、感謝していた。
「僕も頑張らないといけません」と言いながら、観戦に出ていった。
きっと、その日の兄の大健闘にも、大いに刺激を受けて帰宅したはずだ。