南アのノリスと共に、@杉浦悠太さんを3打差2位から見上げるのは木下裕太(きのした・ゆうた)。
通算4アンダーの9位タイから出たこの日は実はメジャー覇者がターゲット。
「松山くんは今まで見たことはあるけど試合では回ったことがない。見たことしかないから、ただのファンみたい。一度は回ってみたい」と、ひそかに直接対決を熱望して2日目を開始。
前半インの13、14番で4メートルを沈める連続バーディを奪ってじわりと近づいた。
2つ伸ばして入った後半のアウトコースは、勢いを増し始めた強風と、「狙ったら、ボギーを打つよという意図が隠れたピン位置。我慢するので精一杯」と、1、2番で2メートルのパーパットをこらえた。
バンカーに入れた3番パー3では1.5メートルをしのぎ、林に入れた4番のパー5は、10メートルをセーブするなど耐えに耐え、7番あたりで見たリーダーボードで、なんと松山と同順位。
「明日回れるかも、とワクワクした」。
18番上がりの松山が、もうひとつは獲ると見込んで最後9番を迎えた。
「自分もバーディならあるかも」と、左のラフから右手前5メートルにつけたバーディチャンスをド真ん中から沈めた。
喜々として上がったが、松山は18番でボギーを叩いており、結果2打差で抜いてしまったのはむしろ無念。
3日目の最終組は、ノリスと同名アマと一緒。
「杉浦くんて、あの子ですよね。先月のユウタ対決のひとつ前で回っていた・・・」と、記憶を辿ったとおり。
10月の「ACNチャンピオンシップゴルフ」で、予選ラウンドに組まれた池田と、木下と、植竹と、プロのユウタ3対決の前組で、ぽつりと回っていたのがアマのユウタの杉浦さん。
木下の母校・日大の現役生でもある。
「アマチュアだけど上手い。凄い選手ですよね?」と、後輩の2日目の首位獲りに感心を寄せ、「松山くんとは、まだチャンスがある。もし最終日に一緒になれたら、覚えてもらえるようなプレーがしたい」と、そちらもまだ諦めない。
先月の「バンテリン東海クラシック」で、今年もシードギリギリの順位から、突如として5年ぶりの2勝目を挙げたが、その後しばらく低迷したのは、久しぶりに前夜祭やプロアマにも呼んでいただけるようになったから。
「今まで休養日にしていた水曜日も休めなくなり、嬉しいことなんですけど、普段のリズムが崩れてしまい、本戦まで疲れが残ってしまった」と、先週も2試合連続の予選落ちを喫したが、「それもようやく慣れてきました」と、再び“トッププロ”の作法をつかむと、また突如としてV争いだ。
今週の行きつけに決めた宿から徒歩20秒ほどのお店はメニューも豊富。
「チキン南蛮も食べましたし、うどんも、肉も食べましたし、宮崎らしいものはほぼ制覇」と、地元グルメも味わい尽くして迎える週末。
「この大会は、優勝者が凄い選手ばかりで、すごく気が引き締まって、出られるだけでも気持ちが高ぶる試合のひとつ。もう50回もやられてるんですね?」と、記念大会も燃料のひとつだ。
「最終日も最終組か、ひとつ前に入れたらチャンスがある。50回目に名前が刻めるよう頑張ります」。
37歳がひょうひょうと目標を語った。