最後9番の2打目の番手は「何番だっけ? 知らない、お兄ちゃんが勝手に取った」と、とぼけるのは、星空と書いて「ひかり」と読む7歳下の妹さん。
「PWだろ。ほんと、何にもしないんだから」と笑いながら呆れた兄。
「そうPWだ! PWでトップした」と、グリーン奥に飛んだボールを仲良く見送りながら、今度ラフから4メートルを残したパーパットをしっかりしのいで、初日5アンダーでこらえて共に嘆息。
他にも、池の方に飛んだボールが、キックで戻ってきた6番や、7番では15メートルものバーディトライがカップに沈み、「今日はラッキーがいっぱいあった」と、笑顔で声を揃える。
共に地元四国の香川西高校出身の2人にとって、ここ高知のKochi黒潮カントリークラブは小、中、高と、黒潮ジュニアカップで回ってきた勝手知ったるコースでもある。
現在の兄の賞金ランキングは77位。
現状は義務試合数に満たない南アのクルーガー(賞金19位)と、韓国の高君宅(コ・グンテク、同33位)の2人を抜いた67位までの“境界線”をこの1戦だけでまたぐには、かなり大きな結果が必要だ。
「来週のQT(サード)につながれば・・・というくらい。そんな上手くいくとは思っていない」と、欲はないが、地元の香川からわざわざきてくれた方々の応援はやっぱり力になる。
それに、妹の星空(ひかり)さんは、来年3度目のプロテスト受験を控える。
「いいところを見せられたら」と、兄の矜持。
「1打1打ていねいに、最後笑って終わりたい」。
諦めるにはまだ早い。