韓国の宋永漢(ソン・ヨンハン)には、11月の御殿場が染みついている。
同一コースの「三井住友VISA太平洋マスターズ」は初出場の2013年から8季連続出て、2016年に2位。
昨年も9位タイに入った相性の良いコースである。
ただ、開催時期は冬間近。
「グリーンが違います」と、今時期は少し重く感じる。
ショットも、気温や富士の裾野の標高差か、11月より飛ぶ気がする。
そのため、2ラウンドの1番では、完璧に打ったと思った2打目がはるか飛び越え、グリーン奥の林へ。
「5%くらい飛んでいる気がします。アイアンのコントロールが難しい」。
どうにかパーで止めたが、寒気の御殿場を知っているからこその難しさは否めない。
「あと3つ4つ取れたのに」と、全パーに終わった第2ラウンドの後半9ホールを悔やむが、初日に回り残した第1ラウンドの最後9ホール目の18番では2メートルのイーグル締め。
1日28ホールはさすがに「ちかれました」と嘆息したが、「67」「67」の通算6アンダーと好位置での予選突破を手中にした。
昨年は賞金ランキングが低かったため、欧州との共催試合は今年が初出場だ。
普段と違った雰囲気を満喫しているが、「英語が喋れない」と、ちょっぴり恐縮。
予選ラウンドで回ったポルトガルのゴウベイヤも、スコットランドのギャラハー共にフレンドリーで、何かと話しかけてくれるからこそ、気が引ける。
「上手く応えられない。逆に失礼かな・・・」と徐々に2人と距離を置き、「離れて歩くようにしました」と、ちょっぴり恥ずかしげなヨンハン。
でも火曜日に、事前に約束していた中島啓太との練習ラウンドはそれは楽しかった。
3月の中島の欧州初制覇は、母国でも大変話題になっていたそうだ。
「かっこいいし、スイングもキレイだし、韓国でも凄く人気なんですよ」と、昨年9月の韓国開催「Shinhan Donghae Open」時を改めて思い出す。
「特に女性にね。僕のワイフも大好きなんだって」。
久しぶりのラウンドで再認したのは中島のかっこよさと、強さ。
「上手いのは分かっているけど、なんか前より飛んでない?」と、急成長も実感する。
ちなみに中島との練習ラウンドの約束はラインでしたそう。
「漢字はダメだけど、ひらがなとカタカナは読める」というヨンハン。
「ケイタにも、ひらかなとカタカナでと言ってます」と仲良しこよし。
今大会で勝てば欧州ツアーの出場資格が得られる。
中島と共に転戦ができるが、そこはまだ「勝ってから」。
コロナ禍にもあえて、母国を離れて日本ツアーを選んだ経緯がある。
「日本が大好きダカラ」。
週末も、JGTOを代表する一人として欧州勢に立ち向かう。