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マンシングウェアオープンKSBカップ 2003
『”勝ちたいんや”効果かな?』今季2勝目は兵庫県での大会2連勝、宮瀬博文は関西に縁がある?
「宮瀬さん、これ飲んで今日は絶対に勝ってください!」
渡された缶のラベルには、阪神タイガースの虎マークと、デカデカと印刷された『勝ちたいんや!』の文字。タイガース優勝祈願の飲料として、最近、関西地区で発売されたものだった。
この差し入れには、思わず笑みがこぼれた。スタート前の張りつめていた気持ちがフッ・・・とほぐれた。
さっそく「ありがとう!」と言ってドリンクを一気飲み。そしてスタートしていった途端の出だしの3連続バーディだった。
その3つ目の3番パー3にいたっては、手前エッジから10ヤードをサンドウェッジでチップイン。ライバルたちに強烈な先制パンチを食らわせた。
8番で1メートルを沈めて混戦を抜け出すと、3打差で迎えた16番。
「1クラブ以上スライスした」という10メートルものバーディパットは、ど真ん中から決めて決着だ。
さかのぼってツアー通算5勝のうち3勝は、プレーオフでの勝利だった。97年、初優勝の札幌とうきゅうオープンこそ5打差のVをさらったが、それ以外はいずれも、接戦を制してきたものだ。
それが今回は、最終ホールですでに3打差。
「こんな勝ち方・・・初めてに等しいよ。今日のゴルフは100点満点。良いプレーができたと思う」と満 足そうに振り返った。
これで早くも今季2勝目、しかもつるやオープンに続く“兵庫県”での大会2連勝。ちかごろ何かと、関西には縁がある。現在、首位を走る阪神タイガースのように、今年の宮瀬には勢いがある。
「実は僕、広島ファンなんだけど(笑)・・・なんだろうね、やっぱりスタート前の“勝ちたいんや”効果かな?(笑)」
地元ファンの前で、喜びの優勝インタビュー。「もう、いっそのことこっちに引っ越してきたいくらい嬉しいです」と言って、宮瀬はひときわ大きな拍手を浴びていた。
写真=3番のチップインバーディは、「とにかくパーセーブ、と思ったのが入っちゃった!」キャディの清家充広さんと好プレーをたたえあう。