この日、奪った8バーディ(1ボギー)の中でも特筆すべきは、なんといっても最後9番で沈めてきた7メートルだ。
「ちょっと上って下る難しいラインだったので。狙いにいって、行くのが嫌だったんですけど。狙い通りにジャストで入った」。
今週から取り組む特訓の成果をさっそく実感する1打となった。
今季、ショットはずっと好調。
しかし、肝のパットが不振を極めて7月の「長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ」から先週まで5戦連続の予選敗退を喫していた。
「練習はしているけど、緊張感の中ではやっていない」と、試行錯誤のあげくに今週から、新ドリルを導入した。
カップをぐるりと8方向から打ち、8球続けて決められないとまた最初から。
月曜日は3時間弱でやっと完了できたが、火曜日は開始が遅かったこともあり、17時のクローズ時間に間に合わずに断念。
開幕前日の水曜日に改めて成功させると、さっそく効果てきめんだった。
2日連続の「65」を記録し、先週の2日目には35回も叩いたパット数も、この2日は「29」「27」と激減。
「まさかこの位置で予選通過ができるとは」。あまりの即効性に自分で驚く。
自身初の首位獲りで並んだ5歳下の平田憲聖(ひらた・けんせい)は、22年に共に初シード入りしたよしみでごはんに行ったりと交流を続けてきたのだが、「急にばーっと上に行っちゃって。最近はあんまり相手にしてくれない」と、今季3勝で賞金1位を走る勢いが、羨ましくもあり、さみしくもあり、悔しくもあり…。
「すべてが上手い」と、認める技術はもちろん、勝俣がいつも感心してみているのが、徹底した平田のポーカーフェイスだ。
「僕はもともと大槻(智春)さんとか、小平(智)さんとか、今平(周吾)さんのプレースタイルに憧れてるんですけど通じるものがある。どんなときも動じない。かっこいいですよね。僕もああなりたい」と、指標にする年下の友人と、3日目の最終組で直接対決。
「すごく楽しみ」。
プロ8年目の初Vに向け、盗めるものも多そうだ。