開幕前に「優勝スコアは4アンダー」と、予測していたそうだ。
「それが2日目にして到達してしまって…」。
ラフの深さや、難易度の高いピン位置を鑑み見積もったが、前日初日の池村寛世(いけむら・ともよ)に至っては、それをはるかにしのぐ1日7アンダー。
「あんなスコアが出るなんて。どうしても想像できなかった。予想以上にスコアが出ているなという感じがする」という木下も、イーブンパーの「70」にとどまった前日の初日から、2日目の3アンダー「67」で上昇に成功。
池村は、この日3オーバーを叩いて通算4アンダーまで落ちてきたため、1差の3位で決勝へ。
「アイアンショットがいい」と、この日は6バーディを奪えた。
「ティショットはけっこうばらついて、ラフから打つことも多かったんですけど、上手く我慢ができた」と、ボギーも3つに留めることもできた。
「ピンポジがすごく難しかったので、ボギーが出ても仕方ないと切り替えて。ダボは打たないように」と慎重に、一度トップタイに立ったが「コースとの勝負で頭がいっぱいなので。トップだろうと2位だろうと関係ない、というか。気が抜けるホールが本当にない」。
夢中でV争いに加わり、改めて優勝スコアを仮想した。
「明日からグリーンも速く硬くなると思うので、通算5アンダーくらいを目指して」。
ツアーナンバー1を争う21年の「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」で初優勝を飾り、日本とつくタイトルは持っている。
でも「日本オープンは、ゴルファーの日本一を争う大会と思うので。年々獲りたい気持ちが大きく、重くなっていく」。
強い気持ちの前に、難コースが立ちはだかる。
「もちろん、優勝したいですけど、そう思って優勝できるほど甘くない。きょうみたいに何も考えずにプレーして。終わってみたら優勝、という形の大会なのかな」。
相手は誰でもない。
ゴルファーNO.1決定戦は、まずコースと自分に克つのが条件だ。