単独トップで入った最後18番で、ティショットを右のラフに沈めた。
刻んで、第3打を4メートル弱に乗せられたがパーパットは逃した。
池村寛世(いけむら・ともよ)とタイになったが「仕方がない。むしろボギーで終われたのはラッキーだったと思う」と、落ち込まなかった。
「とにかくセッティングが非常に難しいのでボギーを打ってもすぐ切り替えられる。自分に合っているのかな」と極力、前向きにとらえる。
1差の3位タイから出て、4番で上からのぼりの4メートルを沈めると、10番では奥6メートルのバーディパットも決まった。
ただ、8番アイアンの2打目がキャリーでグリーンを越えて、ボギーを叩いた11番は「風のジャッジか何なのか。今もまだ、整理がつかない」とモヤモヤする。
でも、次の12番では「1カップ半ほど曲がる」という1.5メートルをパーセーブ。
「外していたら、そこからずるずるいってたと思う。後半の大きなターニングポイントになった」と、ピンチで無意識に止めていた呼吸を、ぷぅっと吐き出した。
距離のある17番パー3では、5番アイアンを振り切り、西日に向かってじっと手をかざした。
「ピンが左端に切られて、左に外せば絶対に寄らない、とわかっていた」というシビアなティショット。
ピン1.5メートルに着弾した。
「ショットに手ごたえがあった。自信があった」とバーディにつなげてガッツポーズも出た。
今年5月のミズノオープンで通算3勝目を挙げ、7月にはその資格で3年ぶり2度目の全英オープンに臨んだが、予選敗退していた。
「ショットに安定感や再現性がない。何かを変えないといけない」と今夏、シーズン途中のスイング改造に着手。
デビュー時に指導を受けていた先輩プロの白佳和(はく・よしかず)の力も借りて務めたドロー⇒ストレートボールへの持ち球変更で「ティショットの曲がり幅をコントロールできるようになったしタテ距離を合わせやすくなっている」。
難コースでこそ、その威力を発揮する。
3日目は、日本一曲げない男との2人1組プレー。
「独特の緊張感がある中でのラウンドだったんですけど、あまりに稲森(佑貴)選手が曲がらないので、見ててほっとした。自分を取り戻す、じゃないんですけどイメージよくピンに絡めるショットも打てましたし、今日のラウンドはすごい良かったと思います」と、8季連続フェアウェイキープ1位の後輩に感謝。