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ダンロップフェニックス 2002

「せめて彼らに、名前を売っておきたいと」

今季米ツアーシード落ち。その悔しさを今週、パワーに変えた横尾要

思わず、口をついて出た。
優勝賞金4000万円は、「アメリカのランキングに、加算してくれないかな…」
そのひとことが、この1年の横尾の思いを、象徴していた。

2月のフェニックスオープンで2位に入り、2年連続のシード権は確実、と思われた。
だがそのあと、パットの不調で、低迷が続く。
「外しているうちに、ますます乱れて、深みにはまっていった」
最後の生き残りをかけた10月、最終戦のサザンファームクラシックでも予選落ちをして、いよいよ、シード落ち決定(賞金ランク130位、シード権は125位内)。
そのとき、最終ホールで、悔しさのあまり投げたパターが運悪く木に当たって池に落ち、PGAツアーから罰金も課せられた。
「あれはやっぱり、いけないことだったよね…」と、冷静になったいまは、反省の弁を口にするが、当時はそれだけ、本気でぶつかっていった証拠だった。

さらに、最終予選会Qスクールのエントリーミス。来シーズンの道はほぼ閉ざされて、惨めな思いで帰国していただけに、今週の試合こそ、横尾にはこの1年の憂さを晴らす絶好のチャンスだった。
世界ランク1位のウッズ、4位のガルシア、デュバル…。
主戦場では、ほとんど口を利く機会もない彼らを押さえて頂点に立ち、「せめて、自分の名前を売っておきたい…」
ひそかに強い決意を胸に、戦いにのぞんでいたのだった。

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