「2カップくらいは切れる」と読んだバーディパットも、「届かないのが一番ダメ。厚めに読んだ」と、狙いどおりにカップイン。
ギャラリーの歓声を浴び、「明日へのいい流れになる」。2オーバーの19位タイにも充実感が漂った。
昨季賞金王の中島と、現在賞金1位の平田と、昨年大会覇者の蟬川と、同学年の24歳。
プロ初年度の昨年、賞金42位で初シードを決め、2年目の今季は2度のトップ10を記録するなど同31位で本大会の初切符をつかんだ。
「上位30人しか出場できない名誉ある試合なので朝は緊張していましたけど、途中からは楽しんでプレーができた」と、独特の空気もさっそく満喫している。
「ここから巻き返してどんどん上へ」。
金子は、前ホールでの好感触をそのまま最終ホールに持ってきた。
17番パー5の2打目は240ヤードを7番ウッドでグリーン近くまで運んで、寄せワンバーディを奪った。
屈指の最後18番パー3もまた、7番ウッドを持ち「17番の2打目と同じような距離と風だったので、同じような雰囲気で打ちました」と、右手前に乗ったバーディチャンスはわずか1メートル強。
逃さず沈めて、前田に続いて2人目のバーディに成功。
1アンダーの8位タイ発進に「嬉しかった」と、余韻に浸った。
高校3年の2020年にプロ転向し、昨季「日本オープン」で3位になるなど初シード入りし、プロ4季目の今季は「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」と「ANAオープン」で2位など経験を重ねて、賞金ランクはいま14位で、大会初出場を果たした。
初日スタート前の開会式や、1番での最初のティショットは、「緊張しました」と、震えながらも、魔と呼ばれる恐怖の最終ホールで観衆を沸かせる度胸も持ち合わせている。