「ABEMAツアー賞金王の名前に恥じないように、今年も1試合1試合、1打1打を大切に、頑張っていきたいと思います。応援よろしくお願いします」と、2025年の第一声を述べた。
昨季は怒涛の1年だった。
レギュラーツアーでは、金谷拓実(かなや・たくみ)が最終戦で逆転し、賞金王に就いたが、山田もまた賞金ランキング28位で迎えたチャレンジトーナメント(昨季まで名称ABEMAツアー)のシーズン最終戦「ディライトワークスJGTOファイナル」で5打差の圧勝し、大逆転の賞金王に。
初の年間シードを獲得した。
その後も、同大会の優勝資格で出た11月の「カシオワールドオープン」では、専修大学時の恩師・岡村氏のご命日に合わせるように、初日から2日連続の「67」を記録し、V争いも経験できた。
また、3日目には石川遼(いしかわ・りょう)や河本力(かわもと・りき)ら、人気シード選手との同組にも恵まれ、大ギャラリーを引き連れプレー。
「とても良い経験ができて、大成長させてもらった」と、いまも喜ぶ。
さらなる飛躍を期す今季は年末年始も惜しまず調整を重ねている。
「昨年はQTに出なくて済みましたので、早い時期からトレーニングを始めることができました」と、体力強化も着々だ。
初打ちは、2日に所属コースの相模原ゴルフクラブ(神奈川県)で行った。
8歳の2007年に、同クラブで行われた「日本オープン」の初観戦をきっかけに、プロを目指した。
「ロープの中の人たちが、輝いて見えたんです」というゴルフ人生の原点を、現在の拠点として活動させてもらっており、「本当にありがたいことだと思っています」と、新年のご挨拶でも恩返しの思いが増した。
本格参戦を前に契約継続が決まったキャロウェイさんでは、年明けの年始回りで、さっそく新ドライバーを試打させていただくこともできた。
今週明けのオフトレや、来月の沖縄合宿では今年も「僕のほうで勝手に師匠と呼ばせてもらってます」という宮里優作(みやざと・ゆうさく)と一緒。
2017年に、やはり所属コースで行われた「ダイヤモンドカップ」で偶然、練習ラウンドを回らせてもらって意気投合して以来、何かと気にかけてくれるようになったという。
特に昨季、宮里には試練の年だった。
オフに宮里が、ひざの半月板を断裂した現場には山田もいた。
3月の開幕にも間に合わず、終盤は賞金シードの確保もどうかという状況(結果54位で確保)にもかかわらず、チャレンジトーナメントで出場資格を争う山田に毎度、励ましの声をかけ、みごと賞金王に就いた時には自分のことのように喜んでくれたという。
「優作さんには感謝しかない」。
ツアー初優勝や、初賞金シードの獲得ほか、山田がひとつ今年の大きな目標にしているのが、シーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」に出ること。
その年の勝者と賞金上位者など30人しか出場できない頂上戦である。
「そこに出場できてこそ、真のシード選手と思いますので」。
それに同大会は、敬愛する宮里が2013年に感動のツアー初優勝を挙げ、2017年は大会2勝目で、逆転の賞金王に就いたという点でも山田の心に大きく残っている試合でもある。
「今年はぜひ、自分も出られるように」。
大願成就を誓って春を待つ。