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「59」からの賞金初シード入り。下家秀琉のオフをのぞき見👓

今季、7人いる初賞金シードの一人として挑む。

下家秀琉(しもけ・すぐる)の2024年を語るとき、まずお伝えしておきたいのがチャレンジトーナメント(昨年まで名称ABEMAツアー)での快挙である。

プロ初勝利を飾った9月「PGM Challenge」の最終日にマークした「59」は、同ツアーのタイ記録。また、通算24アンダーは同ツアーの最多新記録だった。


勢いのまま、同トーナメントで賞金王を目指して年間シードを獲得する手もあったが熟考の末、その後はレギュラーツアーに活躍場を移して7試合に挑戦。
すべて予選を突破(年間では全9試合で1予選敗退)し、賞金62位でひょうひょうとルーキー年の賞金初シードを成功させたのだった。

180センチの長身は、コースで独特の空気感を放ちます

ピカピカの新シーズンを控えた今オフの取り組みは、体力強化がメインだ。

現在身長180センチも中学時代は平均以下。しかも、わりとぽっちゃり体形だったという。
「でも高校時代にいきなり上にシュっと伸びました」という急成長は今も継続中で、昨年末からトレーニングを本格化させたら一気に体重が5キロ増えたそうだ。
効果てきめんはいいが、「ちょっと重いかな…」と、食事制限も並行中。
岩井幹雄トレーナーに相談しながら試行錯誤を重ねている。

試合数不足のため参考記録になるが、部門別のバーディ率4.800は昨年の1位に相当。
また、パーオン率と平均パットは2位の数字に匹敵するが、本人はいま一番の課題にパッティングを挙げ、「ショットは得意なので。あとはもっとパットが入ってくれれば」。
技術向上のため、1月20日から4日間、大阪学院大のゴルフ部同期でパットコーチの須藤大和さんと千葉で“パットキャンプ”を張ってきた。

2月には、スポンサー主催のグアムキャンプの参加も予定するなど、開幕準備も着々だ。

パットが課題だそうです

快挙を続けた昨秋以降、地元大阪・枚方市(ひらかたし)の練習場で、知らない人から急に声をかけられるようになったのには内心、驚いた。
「名前が難しいから逆に覚えたよ、とか言われて・・・。世間って、こんないきなり変わるものなんですね」と、反響の大きさを俯瞰しつつ、極度の人見知りからくるファン対応への戸惑いもちょっぴり。

人並み以上を自認する口下手も、チャレンジトーナメントで「59」を出してから、取材を受ける機会が格段に増えたことで少しずつ改善中だが「そこもまだまだ練習が必要です」。
これから徐々に慣れていく。

下家がゴルフを始めるきっかけにもなった4つ上の兄・秀翔(ひでと)も、2つ上の秀平(しゅうへい)もプロゴルファーで、次兄の秀平とは昨年の「ACNチャンピオンシップゴルフ」で初のきょうだい出場が実現した。
「これからも兄と一緒に応援してくださる方や、スポンサーさんに少しでも恩返しができるように」と、思いも新た。

昨年間4勝で、賞金レースをけん引した(ランクは2位)大学先輩の平田憲聖(ひらた・けんせい)は今季、米二部ツアーで戦うと聞いていた。
「自分も、将来は海外ツアーでプレーしたい」と手本にしながら、「今年はまず1勝と、連続シードが目標です」という秀琉(すぐる)
シード一番乗りの末弟が、“下家(しもけ)三きょうだい”をけん引し、難読名をさらに広める。

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