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Novil Cup 2025

櫻井勝之が持ち味の飛距離を存分に活かして単独首位浮上!

徳島県にあるJクラシックゴルフクラブを舞台に2025ACNツアーの開幕戦『NoviL Cup』の第2ラウンドが行われた。単独首位に立ったのは櫻井勝之。強い風が吹き続けた難コンディションに多くの選手が苦しむ中で、この日のベストスコアタイとなる6アンダー66をマーク。通算9アンダーとして単独首位に立った。

 

飛ばし屋有利と言われるJクラシックゴルフクラブなだけに、櫻井自身も「このコースでしかチャンスは無いと思っています」と話す。自虐的に表現する櫻井だが、このコースだからこそ自分の利点を活かせることは昨年の最終日に体験済みだ。昨年は最終日に65をマークして7位タイに入った。そのイメージが色濃く残っていることは間違いないようで、ティショットが安定しない中でも、気持ちが後ろ向きになることはなかった。

「ティショットが本当に暴れているんです。普通のコースだったら4つはOBを打っていると思います。ただ、ここは本当に広いので隣のコースからでもグリーンを狙っていけるので、そこは上手く活用できていると思います。今週の目標は恐れずにしっかり振ることで、そこはできていると思うんですが、今日は風がかなり強かったので難しかったですね」。

 

櫻井と言えば飛距離。2022年にはドラコン選手として世界選手権日本代表決定戦を制して世界大会に出場している。もちろんドラコン競技での飛ばしと、試合での飛ばしは性格が異なり、求められるものも変わる。大きく異なるのはドラコン競技は6発打って1発成功すればいいが、試合となると目の前の1球の精度が求められる。

ただ、大は小を兼ねるではないがドラコンの経験が、ツアーで戦う上でのメリットになっていることも多いとも話す。ドラコンの試合では421ヤードという記録を持つ櫻井ツアーでのドライバーの飛距離は300ヤードちょっと。もちろんクラブのスペックも異なるが、根本的にスイングは抑え気味に振っている。要は軽く振って300ヤードを飛ばせるわけだから、他の選手よりもアドバンテージがあることは間違いない。難しいのは、スイング自体を緩めることなく振り切らなければならないことだ。

「自分の経験上、今日みたいに風が強い日に抑えようとするとスイングが止まって曲がる傾向があるので、そこを気にせずにしっかり振りにいくことができれば、ぼくの場合は曲がらないので。そこさえしっかりできれば結果はついてくるのかなと思っています」。

 

かつては日本アマを制したことがある大器だが、プロ転向後は怪我などに苦しみ一時はゴルフを断念した。そこからドラコンを経て、再び競技の世界に戻ってきた櫻井が悲願のプロ初優勝を手にすることができるのか。明日の最終日に注目したい。


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