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つるやオープンゴルフトーナメント 2003

『経験を積めば積むほど、恐さを知る・・・。だからこそ、今日のスコアには格別の嬉しさがある』コースレコード62をマークして4打差の単独首位に立った宮瀬博文

史上最年少の21歳でシード入りを果たしたのが92年。171センチと小柄ながらダイナミックなスィングと、大きく手を振ってコースを行く軽快なフットワーク。大量リードや最終ホールのイーグル奪取で逆転Vなど、派手なゲーム展開でも、人気を集めてきた。
その宮瀬も31歳を迎えた。そろそろ“中堅”と呼ばれる世代。10年連続でシードを保持してきただけに、トーナメントの面白さも恐さも、知り尽くしている。

「年々、ゲーム運びが手堅く小さくまとまりがちになって、そんな自分に嫌気が差したり、ね(苦笑)。そういうジレンマも経験してきたからこそ、今日のこのスコアは本当に嬉しいですよ」
9バーディノーボギーの62は、2位以下に4打差つけて単独首位浮上。2日目にしてぶっちぎりの大爆発だ。「デビューしたての、若かったころの自分がプレーしていたみたい(笑)。いやあ、気持ちよかったですね!」
このオフは、特にパッティング練習に時間を割いた。毎年、賞金ランクに反比例して、平均パットのデータが満足のいく数値でないことが、気になっていたからだ。
試行錯誤の末に、これまでよりハンドファーストに構えてストロークしてみることにした。「それのほうが、インパクトでしっかりとヒットできるんじゃないかな、と思ったんですが・・・」期待に反して、開幕戦の東建ホームメイトカップで予選落ち。
この2週間のオフでさらに模索を続け、迷路にはまりこんでしまった。悩みあぐねて今週水曜日。同学年で、ジュニア時代から19年来のつきあいという横田 真一に相談を持ちかけてみた。すると、「宮瀬君は、今までどおりのストロークでやったほうがいいんじゃない? それが持ち味なんだから」との答え。
一発で問題が解決してしまった。パットの悩みが消えると、ショットのほうも、集中して打てるようになる。両方がピッタリと噛み合ってマークした62は、93年の東建コーポレーションカップ以来の自己ベストスコアタイ記録。
パターもマレットタイプから、一昨年前まで愛用していたピンタイプのものに戻して「今週は、“原点”に帰るつもりで戦いたい」。節目の年に、宮瀬が10周年の記念優勝を飾れるか。

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