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Phlip Morris K.K Championship 2001

「“早く決めたい”と思うと、よけいに難しくなるから」

2位タイの山本昭一

 初シード入りを果たした今季、調子は万全でないながらも、「60%前後の出来」で、帳尻を合わせながら戦ってきたシーズン前半。
 しかし、シードのボーダーラインが見え始めると、欲が出てきた。
 「もっと上に行きたい、もっと完璧なショットがしたい」
 その拠り所を、山本は、道具に求めた。

 幸い、山本は特定のメーカーとのクラブ契約を結んでいなかったこともあって、6月ごろから、気ままなクラブ探しがはじまったが、なかなかしっくり来るものが見あたらず、それどころか、ますます調子は、下降線をたどり始めた。
 悪循環の始まりだ。

 結果が出ない焦りから、手当たり次第にクラブを変え、ひどいときには、試合中でも、1日ごとに、バッグの中身を“総入れ替え”することもあったという。

 「自分の腕を棚に上げて、道具でカバーしようなんていうのが、間違いでした。もう、どうにもならなくなってしまったんです・・・」

 そんな山本が復調のきっかけを掴んだのは、8月の中部オープン。
 2日間競技のこの大会でも、練習ラウンドから日替わりでクラブを変えて戦っていたが、最終日、ふと思いついて、元のキャロウェイのクラブも戻した。
 「そしたら、いきなり68が出た。ベストスコア賞ですよ! ・・・60台なんて、久しぶりだったから、嬉しかったし、“よしもう、俺はこれだ!”と・・・(笑)」

 以来、何度か欲望に負けそうになったこともあるが、「まだ、浮気はしてません!(笑)」

 現在、賞金ランクは66位。今週あたりで上位に食い込み、2年連続のシード入りを確実なものにしておきたいが、「早く決めたい、と思うと簡単なことも難しくなる・・・。明日からはまた白紙に戻し、1日1日、1球1球、精一杯、重ねていくだけ」と、無欲を強調した。

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