記事
アコムインターナショナル 2001
「この赤で、勝てた」
この日、石岡が、赤く染まった。
フェアウェーで戦う細川だけでなく、ロープの外から見守るゆかりの人々、みんなが赤を着て、優勝を祈った。
初日68、2日目63。いずれも、赤のウェアで、好スコアをマークしたことから、ゲンを担いで、細川は、「今週は、4日間とも赤を着る」ことに決めた。
黒のスラックスに、真っ赤なポロシャツ。
毎日、同じいでたちでコースに現れる細川に、「おまえ、昨日と同じ服じゃないか。ちゃんと洗っているのか?」と、ジャンボが、からかいの言葉をかけた日もあったが、それには、「同じ色だけど、柄違いなんです!」とムキになって否定し、赤い服で貫き通した。
最終日は、その細川の思いを汲んで、玉枝夫人、長男・和広君はもちろん、父・和男さん、母・慶子さんのほか、応援にかけつけたみんなが、赤を身に付けた。
また、2週前から、専属キャディに復帰した小岸秀行さんは、大会揃いの緑のつなぎで、赤が着れない変わりに、「縁起を担いで、実は、4日間、パンツを替えてないんですよ(苦笑)」
みんなの思いが、細川に届いた。
「励みになりましたね。ほんとに、嬉しかった。この赤のおかげで、勝てたんです」
勝利の瞬間、細川のもとに駆けつけた玉枝さん、和広君と抱き合う姿は、まるで、グリーンに大輪の花が咲いたようだった。