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青木功より、選手たちへエール

世界のアオキが今年、折に触れて言ってきたことがある。「今の若い人たちにはもっと、自分のカラーを出して欲しいんだ」。通算79勝、国内56勝、賞金王5回のほか、世界の6つのツアーで勝ち星を重ねてきた。1983年のハワイアンオープンは、最終日の18番ホールで残り128ヤードのチップインイーグルで、日本人初の米ツアーを制覇。
80年の全米オープンでのジャック・ニクラウスとの死闘は、今も伝説として語り継がれる。

そんな数々の偉大な功績が評価され、今年、日本人男子として初の世界ゴルフ殿堂入り。

「自分には、ゴルフしかなくて(笑)。試合のあるところどこへでも出かけて行った。そのために、スポンサーや関係者のみなさんにはたくさん迷惑をかけたと思うが、そんな僕を支えてくれる人たちもいてくれて。自分は自分の好きなことをしていただけだが。それでもここまで来られたのは、みんなの協力があったからこそなんだ…」。

殿堂入りのセレモニーでは感極まって、涙にむせんだ。

ゴルフへの熱い思いに突き動かされて、世界中で暴れまわってきた青木には、いまの若手選手たちが、どこか“優等生”に見えて仕方ない。

「今の若い子たちは、ちょっと目だったことをするとマスコミにたたかれたり、悪く書かれたりするのが嫌なんだろう。でも、それを怖がっていたら、いつまでも小さくまとまったまま。少しくらい、コースで自分のプレーに対する怒りを見せたっていいじゃないか。それだって、一生懸命ゴルフと向き合っているからこそ。もっともっと自分を出して、個性を発揮して、日本ツアーを盛り上げていって欲しいよな」(殿堂入りのインタビューから)。



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