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サントリーオープンゴルフトーナメント 2005

今野康晴が2位と4打差の単独首位に

7月の日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒルズカップで、プレーオフの末に2位タイに甘んじたがそれも当然だと思っていた。
その週、ショットの調子が悪かった。「真っ直ぐ、飛んでないのだから優勝できない、と最初から決め付けていたから」。
以前から、そういうタイプでもあった。
頭の中に「これだ」という理想のスイングがあって、そこから少しでも外れると「俺はダメだ」と思い込む。調子が悪いときは、なんでも否定的に物事を見てしまう。

そんな考え方のせいで、これまでもたくさんチャンスをふいにしてきたのではないか・・・。
そう思うようになったのは、最近読んだ本によるところが大きい。
それは、ある麻雀士が書いた自叙伝だった。
その中にあった言葉が、今野の心を捉えた。

「スランプも、自分がスランプだ、と思わなければスランプじゃない。たとえ調子が悪くなっても、それが自分の実力だ、と思えば落ち込むこともないし、ヘコまずにまた頑張れる・・・。そんな感じのことが書いてあって。考え方の大きなヒントをもらいましたね」(今野)。

理想のスイングを追い求めることはもちろん必要だがひとたびコースに出れば、悪いなりにスコアを作っていくことはそれ以上に大切なことだ。

だから次にチャンスが来たら、そのときのゴルフの調子がどうでもあろうと、がむしゃらに優勝を狙っていこうと決めていた。

9番パー4で残り126ヤードの第2打をピッチングウェッジで直接入れるイーグルを奪うなど、6アンダーでまわって2位と4打差の通算11アンダーの単独首位に立ち、改めて家族のありがたみを感じている。

今週の会場は、千葉県・市川市の自宅から車で約40分。
妻・崇乃子さんは、1歳と8ヶ月になる長男・泰嗣くんを朝もあわただしく実家に預けて、毎日スタートに間に合うよう駆けつけてくれる。
「つまらないミスをするとすっごく怒るから。あいつが見ている、と思うだけで気が引き締まるんですよ」。

18ホール歩くのも、「もう疲れたよ〜」と言ってほっぺたを膨らませる崇乃子さんに、「明日も来てよね」と、念押しした今野だった。

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