前日までとは、まったく逆方向の風が吹いたというこの日３日目。グリーンも時間を追うごとに速くなるという状況で、ボギーは３パットを打った８番のパー４のみ。
「この難しいコンディションで４つのバーディが取れたのは非常に満足。明日は、今までどおりプレーすれば、おのずと結果はついてくる」と、自信満々だ。

２打差には、同じイングランドのルーク・ドナルド。世界ランク17位の強豪が控えるが「俺は後ろを振り返らない」と、力強く言い切った。
「確かに、ルークはよい選手だし追い上げてくるでしょう。追いつかれるかもしれないけれど、でも、そうなったらそうなったときのこと。俺もそれなりに対処してよいプレーを続けるだけ」。

ドナルドと初めての直接対決にもそう言って、ピクリとも表情を変えなかったポールターが、にわかに笑み崩れたのは石川遼くんの話が出たときだった。

パープルを基調としたこの日のウェアを聞かれて即座にうなづく。
「そのとおり！　今日のウェアは昨日、遼くんが着ていた服とまったく一緒だよ。今週、僕が持ってきたコーディネイトと同じのを彼にプレゼントしたからね。この服で昨日、彼は２アンダー。今日は僕が３アンダー」と、嬉しそうに微笑んだ。

いよいよ最終日は、お揃いのウェアにしようと約束している。
それは、ブルーとラッキーカラーのピンクのウェアだそうで「明日も一緒の服で良いプレーができたらいいね」と15歳年下に呼びかけていた。

イアン・ポールターIAN POULTER
１９７６年１月10日生まれの31歳、イングランド出身。
父の手ほどきを受けて４歳でゴルフをはじめ、19歳の１９９４年にプロ転向。
1999年にチャレンジツアーで１勝をあげて、翌年欧州ツアーに昇格すると、その年のイタリアオープンでツアー初優勝。以後、コンスタントに勝ち星をあげて、現在欧州ツアー７勝。
米ツアーと掛け持ち参戦の今年は優勝には手が届かなかったが、安定した成績を残して賞金ランクは19位。身長185センチ、体重86キロ。

• 石川 遼