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日本オープンゴルフ選手権競技 2005

クレイグ・パリー「素晴らしいコースでプレーできたことを嬉しく思う」

先にホールアウトした片山が、18番グリーン横のテレビモニターで、2組後ろのパリーのプレーを食い入るように見つめていた。
首位で並んで迎えた17番パー3で、パリーがティショットをグリーン右奥のラフに打ち込んだ。寄せきれず、7メートルのパーパットを外した。

1打、後退。

だが、片山はピクリとも表情を変えなかった。

「ハ〜・・・」と大きな息を吐いてからポツリ。

「笑えないし、喜べない。だって彼の気持ちが分かるから。俺だって、必死で戦った。彼も同じ」。

97年大会以来、2度目のタイトルを狙って、パリーも渾身のゴルフを繰り広げた。
あれから8年を経て米ツアー2勝の貫禄を示すため、「世界のメジャーに匹敵する」(パリー)ここ廣野で、最後まで粘りのゴルフで優勝争いを続けたが、上がりの2ホールで力尽きた。

「17番は、クリークで低い球を打とうとしたらミス。アプローチは練習ラウンドのときにショートばかりだったので、そのイメージが残ってオーバーしてしまった」。

続く18番は、第2打をグリーン奥に打ち込んで連続ボギー。
「最後の2つは不本意だったけど、4日間通せばハッピーな大会。トータルイーブンパーは悪くないし、何より素晴らしいコースでプレーできたことを嬉しく思う」。

ゲームを盛り上げた、という意味ではパリーもまた、この記念大会の主役だった。



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