この日２日目は、母国・中国からわざわざ応援に駆けつけた友人の声援に発奮。特に、グリーン回りのアプローチが冴えた。前半の11番。また８番で深いラフに入れながら、難なく脱出。ピンチを一転チャンスに変えてバーディを奪うしたたかさで通算２アンダー３位タイに浮上して、観光の合間を縫って応援に来てくれた親友に別れ際に約束だ。

「週末も、全力で頑張るからね！」。

現在、アジアンツアーの賞金ランクで１位。賞金レースの真っ只中にもかかわらず、このナショナルオープン出場を決めたのは、来季の日本ツアーのシード権を確保しておくためだった。

今年３月の欧州とアジア共催のシンガポールマスターズで優勝し、欧州ツアーのシード権を獲得。今季は主に欧州に拠点を置いて戦ってきた。
そのためほとんど日本ツアーを留守にしたが、今年から海外のシード選手は年間３戦以上出場すれば翌年の出場資格が得られることになったのだ。

そして、今大会がその３戦目。
そういう事情もあって今週は、ひとまず賞金王争いの重圧から開放されて、リラックスしてプレーできていることが大きいようだ。
「コースも難しいからね！　とにかく、気負わず楽しくやる。その結果、優勝を持って帰ることができたら最高だね」と笑った。

• 梁 文冲