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日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒルズカップ 2005

今野康晴「特に残念に思うホールはありません」

最終ホールで左から2.5メートルのバーディパットをねじこんだ。通算7アンダーで首位に並んで、最終組のプレーを待った。
クラブハウスで二言三言、この日応援に来てくれた妻・崇乃子さんと言葉を交わし、リラックスした表情で、ふたたび決戦の18番ホールへ舞い戻った。
崇乃子さんは、18番グリーン横のギャラリー広場に設置された超・大型テレビで、夫のプレーを見守った。
1ホール目のティショットはフェアウェー。そこからピン左8メートルのバーディチャンスにつけた。
2パットのパーで、2ホール目。
崇乃子さんが、「もう、とても見ていられない」と言って、ふいに席を立った。

ティショットを、左バンカーに打ち込んだ。第2打は手前右バンカーのアゴ。脱出に失敗し、手前ラフに落とすのが精一杯だった。
そこから寄せて、1メートルのパーパットをマークしたが、先に細川にバーディパットを決められた。
崇乃子さんの前で優勝シーンを見せられなかったが、ツアープレーヤーNO.1の座をかけて最後まで精一杯に戦った。
今野は言う。
「特に残念に思うホールはありませんよ」。
破れた夫を出迎えた崇乃子さんは悔しさを隠し、つとめて明るくこう言った。
「次は、日本オープンで勝ってもらいますよ」と。


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