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日本オープンゴルフ選手権競技 2007

石川遼くんはツアー初の予選落ち

16歳の祈りは届かなかった。ホールアウトした後に約5時間。コースに残って結果を待ったが、わずか1打、足りなかった。ツアー4戦目にして初の予選落ち。その敗因を「落とし穴にハマって脱出できず、さらに埋ってしまった感じ」と、表現した。

もっとも、イーブンパーで折り返した前半の9ホールは「最高のラウンドだった」。ぶち壊したのは後半の5番パー4だった。
ティショットは左ラフ。深いラフからの第2打はまたラフ。グリーン手前からのアプローチも乗らず、ボギーを打った。
「これが流れを変えてしまった」と、振り返る。
「1回、躓いても次のホールで立て直せれば良かったのに・・・」。
さらに、コースの罠にハマった。
「次のホールでまた躓いて転んじゃったところが精神的な弱さ」と、唇を噛む。

その時点で通算8オーバーは、微妙な位置。「残り2ホールでバーディが獲れるかどうか・・・」。初出場の日本オープンで味わう予選通過の重圧。
しかし、それも「またひとつ挑戦ができる」と前向きにとらえ、むしろ「厳しい空気を楽しんでいた」というから頼もしい。

ナショナルオープンの洗礼を受けたが、収穫はある。
同組の中嶋をして「執念を感じた」と言わしめたのは「イーグル狙い」の最終9番。
ピンまで16ヤードの左バンカーから奥2メートルにつけてパーセーブ。
「悔しい中でも、最後まで気合を入れて行ったラウンドで、最後のバンカーで寄せワンで上がれたあのパーは大きな1打。絶対に忘れたくはない」。

中嶋とまわった水曜日の練習ラウンド。
さらに、賞金ランク3位の谷原秀人も加わって、ビッグネームに挟まれての予選2日間。
「たとえ予選落ちでもムダではなかった」と、心から思える。

「ミスしてもチャンスを作る」中嶋のゴルフに感動した。
ホールアウトするなり決勝進出を祈って手を合わせたとき、かたわらの谷原がそっと囁いた言葉は、深く胸に刻まれた。
「練習ラウンドのときのスイングが、一番リラックスして打てている。あのスイングを試合でも出来るようになれば、遼くんはもっと上手くなれるよ!」。

次の出場予定は来週のブリヂストンオープン。今回の経験は、会場の袖ヶ浦カンツリークラブで必ず生かす。

注目の16歳は2日間でコースを去ったが、前日6位の池田勇太さん(東北福祉大4)や、石川くんの2つ先輩の薗田峻輔くん(杉並学院3)をはじめ、7人のアマチュア勢が決勝ラウンドに進出した。

  • 谷原(中)、中嶋(右)との2ラウンドに「プロは、ミスをミスにしないところがすごい」と石川くん
  • 最終ホールで谷原から受けた助言も今回、忘れらないことのひとつ

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