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JCBクラシック仙台 2006
谷原秀人と片山晋呉がデッドヒート!!
9番で谷原が5メートルをねじこむと、片山も即座に入れ返す。
10番で、片山が6メートルを決めた。
谷原は、1.5メートルのチャンスを確実に沈めた。
15番パー5は、第3打を両者1.5メートルにピタリ。
ゲームは、まるで2人だけの別世界。
マッチプレーの様相に、表蔵王が沸きに沸いた。
「・・・僕も相当面白かった。楽しいな〜・・・と思うことはあまりないけれど。まだ3日目に最終組の2人が伸ばしあってお互いにボギーなし。今日はほんとに楽しいゴルフ」と、片山が言えば、5歳年下の谷原も息が弾む。
「僕もワクワク、ドキドキ。相当面白かった。2人ともボギー打つ雰囲気ないし、バーディの取り合い。2人の勝負。すっごく燃えた」。
片山と回るときは、「シンゴさんから何か盗んでやろう、と見すぎてしまう。だから今日は、完全無視に近い状況」。
最後まで、高い集中力を保って回りきった。
ハイライトはピッチングウェッジで打った17番パー3。
「完璧なショット」は、あわやホールインワンのピン横1メートル弱。
このスーパーショットでこの日8つ目のバーディ。片山を2打差で突き放し、“打倒・片山”を高らかに宣言した谷原。
「・・・でもそれは、いまの若手ならみんなが思っていること。だって、そうしないと楽しくない。明日は、ひたすら伸ばすだけ伸ばし、あわよくばちぎって勝つ」と、遠慮がない。
対する賞金王は、余裕の構えだ。
今季これまで5試合で、1勝を含めてトップ5を外していない。
「・・・毎週、こんな気持ちを入れてやってたら頭の中が持たない。今日は気持ちを抑え気味に。気合を入れて打ったのがひとつもなかった。朝からずっと、同じテンションで回ってた。なるべく頭を使わないようまわった18ホール。明日のために、取っておこうと・・・」。
余力を残して迎える最終日。
「今日8つ出した人が、明日もそんなに出るとは思えないし。明日、僕はクールビューティじゃないけれど。ベリーホットなプレーを見せたい」。
表彰式のプレゼンターは、荒川静香さん。
金メダリストから、今大会2個目の優勝カップを受け取るのは自分、と言わんばかりだ。