記事

日本プロゴルフマッチプレー選手権プロミス杯 2002

準決勝 宮瀬博文VS佐藤信人「緊迫感と疲れで、足がふわふわ」佐藤

 マッチプレーでの精神的ダメージを少なくするために佐藤は、「先に相手のゴルフを予測しておく」という作戦を取っている。
 相手の、とても入りそうにない長い長い距離のバーディパットも、「必ず入れてくる、と思っておく。そうやって心の準備をしておけば、ショックは少ないから」
 午前のスメイルとの3回戦を勝ち上がり、午後から、宮瀬との準決勝は、佐藤が5番ホールから3連続アップ。
 先手を取ったが、ここでも佐藤は「このまますんなり行くはずはない。必ずヒロ(宮瀬)に追いつかれるはず」と、読んだという。
 案の定、10番の宮瀬のチップインイーグルなどで盛り返され、もつれにもつれた勝負は、18ホールでは決着がつかず、エキストラホールへ。

 午前中の3回戦で、チーピン気味のショットが出た不安。準決勝のティオフまでのインターバルで、井上透コーチに電話をかけて、「ハンドファースト気味に構えて振ってください」とアドバイスを受けてからは、なんとか持ち直してはいた。
 だが、後半の宮瀬との膠着(こうちゃく)状態の闘いの中で調子を保つことは、佐藤の緊迫感と疲労感をますますあおり、「途中から、ずっと足がフワフワしていましたよ…」
 エキストラ1ホール目に宮瀬のボギーで、ようやく、長い1日に終止符を打った佐藤。
 頂点まで、あと2分の1の確率にも「いくら、その日の調子が良くても、負けるのがマッチプレー。明日は、若い近藤君相手に36ホールは自信ないけど、やるべきことを、一生懸命やるだけです」と、あくまで慎重だった。

関連記事