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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2000
「喋らなきゃ、喋らないでも…」
今大会は2日目から、成績順に組み合わせが決められる。伊沢は尾崎将司と最終組でラウンド。
「初日、2日目はまだ、ジャンボさんもわりと気楽そうに回るんですけどね…」
しかし、首位タイでスタートしたこの日ばかりは、ジャンボの様子が違っていた。
「1番ホールから、『こりゃ、しゃべりかけないほうがいいかな』という感じ。すごく気合が入っているのが雰囲気でわかりましたね」と伊沢。「でもまあ、喋らなきゃ喋らないでもいいかなあ、と思いまして…(笑顔)」と、真剣なジャンボを横目に、飄々と自分のゴルフを展開した。
「風が読みきれないままピンを狙っていった」ために、1番ホールからグリーンをはずすなど、前半で3つのボギーを叩いて後退したが、風が弱くなって晴れ間も覗いたハーフターンから伊沢は、人が変わったように、スコアを伸ばす。
12番で15メートルを沈めると、13番、14番も取って3連続バーディ。
16番で2メートルを沈めて4つ目のバーディを奪うと、ここでようやくジャンボが口を開いた。
「…今日は、ちゃらんぽらんな伊沢にやられたよ」
そんなジャンボにニコニコと、「ゴルフは波がありますからねぇ」と返すと、
「ジャンボさん、“やかましい!!”って…(笑顔)」
ひとまずジャンボを1本取って、ご機嫌の伊沢だった。