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第2回VISAダイナスティカップ2005は、アジアチームが大会連覇
チャンスパットを面白いように決めていくアジア勢に対し、日本チームはこの日も引き続き、転がりが予測できないグリーンに苦しんだ。
また、コースのあちこちで鳴る携帯電話、カメラのシャッター音。ゴルフ観戦に慣れていないギャラリーがたてる騒音。そのたびに、途切れる集中力。
アジアチームびいきのファンのあからさまな拍手と声援。今年もやはりあった、アウェイの洗礼。
連敗の原因には、さまざまな要素があげられるだろう。
その中で、前回に引き続き2度目の出場を果たし、今回負けなしの成績をおさめた近藤智弘が言ったコメントが、印象的だった。
「“普通にやれば、日本はアジアに負けるわけがない”という気持ちが敗因なのかもしれない」。
リベンジをもくろむ日本代表キャプテン・青木功は、今年ベストメンバーを揃えた。
米ツアーの丸山茂樹、賞金王・片山晋呉・・・。そのほかメンバー12人もみな日本が誇るトッププレーヤーだ。
対するアジアは、「トンチャイと張さん以外は名前も知らないような選手ばかり。総合力は、確かに日本が上だった」(近藤)。
だから勝って当たり前、という思い込みや油断が、日本チームの中に少なからずあったのではないか、と近藤は言ったのだ。
気候、風土の違い。コースコンディションや芝質の違い。ギャラリーの質の違いは、アウェイで戦うからには当然、予想できたことだった。
「だから、その中で戦うからには、『ここはアジアで、普通の状況ではできないんだ』と覚悟しておかないと絶対に勝てない、という気持ちで、僕はやっていたんです」(近藤)。
この連敗でますます、日本チームの心に火がついたのは間違いない。
「なんか、敵地に来た兵隊が右も左も分からないところでやっつけられたみたいだった。次、もし出られたらやっつけたい」(丸山茂樹)
「とにかく、悔しい。でも、先週(マスターズ)今週とゴルフ人生の中でかなり良い経験をしたと思う。これから僕自身、かなり変わると思います」(片山晋呉)。
「僕は、精神的なコントロールがまったくきかなかった。悔しくて、腹が立つ。当分、眠れそうにない。この思いは一生、忘れない」(神山隆志)。
「僕は負けなかったけど、チームが勝たないとハッピーじゃない。次は絶対に勝ちたい」(近藤智弘)。
・・・この経験は必ず、次に生かす。