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日本オープンゴルフ選手権 2008

石川遼は、1アンダースタート

難コースに初日アンダーパーをマークした選手はわずか4人。しかもコースの難しさが増す午後スタートではただひとりだ。しかしそれでも17歳には納得いかない。
前半の9ホールで4つのバーディ。
しかも最大のピンチをしのいでボギーなし。9番で林に打ち込み、第2打は松の木に阻まれた。迷わずスプーンを抜いて、低い球でグリーンを狙った。奥に打ち込んだがこの難しいアプローチを3メートルにつけてみごとなパーセーブ。

上から下へ。力強くガッツポーズを振り下ろしてハーフターンだ。
さらに12番でバンカーから1メートルにつけてこの日5つめ。

5アンダーは、この時点で2位と2打差の単独首位に立ったのだ。

それまでに刻んだのは3番アイアンを握ったフォローの11番だけ。
高校生プロの「全ホール、ドライバーで行く」との宣言に、他の先輩プロたちが首をかしげたことは朝刊を読んで知っている。

しかし、「圧倒的に経験不足の今の僕にはこの攻め方が合っている。一番良いスコアが出るんだと、自分のためだと信じてやっている」。

将来を見据えてのことでもある。
「どんなに狭くても、風が吹いてもここでビビっていたら、今後に生きない。思い切って振り切っていけないと、これからに生きない」。
頑ななまでに貫いたポリシーが、間違いではなかったと改めて思える前半の好スコア。

今でもその攻めに迷いはないが、悔やまれるのは終盤だ。
ここ古賀ゴルフ・クラブは特に、インコースの上がり5ホールに難所が集中するが、その罠にはまった形でズルズルと崩れた。

467ヤードと距離の長い14番は、ダブルボギーだ。
フェアウェイから残り215ヤードの第2打を、3番アイアンで右のバンカーに打ち込んだ。
このアプローチがグリーンに届かず、2メートルのボギーパットを外した。

さらに15番、18番でボギーを打って、「気持ちの甘さが出た。切り返しで体が開き気味になって、思い切ってボールが叩いていけない。乱れてくると、抑えがきかない」。

悔しそうに吐きだした。

結局1アンダーの単独4位は、それでも喜んで良いとは思うが「スイングに関しては、まだまだやれた」。大いに課題を残した1日となったようだ。

「おかげで今日は気負わずやれました」と、感謝を寄せた同組の青木功。
ラウンド中も何かと気を遣い、声をかけてくれた66歳の気持ちに報いるためにも「明日もう1日、有意義に過ごせるように・・・」。
そう言い残して、日も暮れかけた練習場に直行した。

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