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アイフルカップ 2000

遠藤誠・JGTO競技運営ディレクターの大会みどころ

 「今年の鰺ヶ沢は、残念なことに雨が少なく、芝の成長がちょっと遅れています。
 昨年は120ミリ以上あったラフが今年は80ミリ前後。もし、ラフに打ちこんでも、昨年よりは、ピンを狙っていきやすいかもしれません。
 ただ、鰺ヶ沢はOBゾーンがないため、ラフが短いことに油断して、無理矢理攻めていくと、今度はほとんど雑草のような丈の高いヘビーラフに打ちこむ可能性が出てきます。そうなれば、ただ出すだけ、または、ロストボールも考えられ、ダボ、トリプルを叩くことは必至です。
 今週もきっちりとフェアウェーを捉えられる、正確なショットが要求されることに変わりはありません。

 グリーンの状態は10フィート半、コンパクションは14と、程よい速さと硬さがあり、非常にいいコンディションにしあがっています。
 昨年度チャンピオンの伊沢利光選手などはコースを下見して、『昨年より、だいぶグリーンの芝目がきつくて、思ったより切れたりする。グリーン上はかなり厳しい戦いになる』と言っているそうです。パッティングも、勝負のカギを握りそうです。

 コースのみどころとしては、特に9番、18番があげられます。
 9番は右ドッグレッグで、しかもグリーン手前にクリークが走るパー4。グリーンの落としどころをしっかり決めて、フェード系のボールで攻めていきたいホールです。
 18番は、フェアウェー中央に大きなバンカー、そしてグリーン右に池が横たわる479ヤードのパー4です。ティショットは左狙い。右に曲げた人は攻略ルートが限られます。ティショットでドライバーを持つか、レイアップするのか。最後の選択が迫られるホールです。
 さらに2打で池をこわがって左に逃げると、今度はグリーンの下にガケが待ちうけ、大きなトラブルにはまる恐れも。混戦状態で18番にもつれ込むと、大ドンデン返しもありうる、やっかいなホールといえるでしょう。

 芝質はフェアウェー、グリーンともクラブが抜けにくい洋芝です。フェアウェーから打ってもフェースが突っかかるくらいです。クリーンにボールだけをヒットする打ち方が要求され、ごまかしはききません。今週は、通常にも増して、ショットが好調な選手に分があるといえそうですね。

遠藤誠・JGTO競技運営ディレクター

★ 遠藤誠プロフィール
 1966年11月25日生まれの34歳。昨年1年間、日本ゴルフツアー機構の競技委員を務め、今年から同機構の競技運営ディレクターに就任した。
 ゴルフとの出会いは小学校3年のとき。インストラクターとして活躍しながら、ツアープレーヤーを目指していたが断念。JGTOが急募していた競技委員に志願した。現在は、「ディレクターとして常にツアー全体を見渡し、ゴルフ界がもっともっと盛り上がっていくよう力を尽くしたい」と、ディレクター業務に燃えている。

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