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最年長優勝なるか? 首位タイ トム・ワトソン

全英オープン5度の優勝経験を持つトム・ワトソンはこの日、前半のショットの不調に苦戦しながらも後半でスコアを盛り返し、トータル5アンダーで首位の座を奪い返した。
海から吹き付ける激しい風と、時折降る冷たい雨という全英オープンらしい天候の中でのプレーとなったトム・ワトソンは、「やっと本性を現した」と表現。

2日目のプレーを振り返ったワトソンは、「出だしの9ホールは厳しくなるのはわかっていた。良くないショットを何回か打った結果、5つもボギーを叩いていたが後半はフォローの風が吹くので決して希望はすてなかった」と、77年にジャック・ニクラウスと「白昼の決闘」のすえ制覇し、知り尽くしたこのコースでこの日は粘りのゴルフに徹した。
16番ホールと最終18番ホールでは約18メートルのロングパットを決め群衆を沸かせたワトソン。競技前日にはジャック・ニクラウス夫人のバーバラさんから激励のメールをもらい勇気づけられたというワトソンは「ジャックとプレー出来ないのは本当にさみしい」と、語り「マスターズではもう僕は引退してもいいけど、ここ全英オープンでは若い選手に負ける気がしない」と、揺るぎない自信も覗かせていた。

予選2日間を一緒に回ったアマチュア選手マッテオ・マナセロ(イタリア)が16番ホールでワトソンと同じようなロングパットを決めたことについて聞かれると、「ジャック・ニクラウスとオーガスタの16番をプレーした時のことを思い出したよ。ジャックが最初に大きく曲がるパットを決めてその後、僕も同じようなパットを決めたんだ。僕はそのときジャックよりもずっと若かったけど、今じゃあ立場が逆転したね(笑)」と会見場に来ていた記者を笑わせていた。

昨年は最終日まで53歳のグレグ・ノーマン(オーストラリア)が優勝争いを繰り広げたが、今年は9月に60歳の誕生日を迎えるトム・ワトソンが試合を面白くしてくれるに違いない。

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