記事

フジサンケイクラシック 2000

国際電話でスイングチェックを試み、復調のきざし 深堀圭一郎

深堀圭一郎は、首位の久保谷健一の明大ゴルフ部時代の先輩。初日と2日目を後輩とともにラウンドし、「いまは自分のことで精一杯だから、久保谷のプレーはあまり見れなかったけど、あいつにとって、このコースは庭みたいなもの。あいつは他のコースではなんとなく萎縮したプレーをしているけど、ここでは攻め方がわかっているのか、別人みたい。後輩がポンポン入れちゃうの見ていると、やっぱり励みにはなりましたね。」。
 4番パー5で、残り201ヤードを3番アイアンでピン4メートルに2オンしてイーグルを奪うなど、68でまわって通算2アンダー、5位タイ。3打差で、後輩の背中を追うことになった。

 今季開幕から5戦中、3戦で予選落ち。「昨年も失敗したことなんですけど、どうしても、トレーニング、練習がオーバーワークになってしまって。疲れて思いどおりに振れなくなっていました」という。
 悩んだ末に先週、米ツアー参戦中の丸山茂樹に国際電話。大きなヒントをもらった。
 「マルとは小さいころからずっと一緒にやってきて、僕の長所も欠点もなんでも知っている。今回も、電話で『アドレスすると、なんとなく違和感があって、プッシュとか変な球が出たりするんだけど、どうなってるんだろう』って聞いたら、『腰のラインでアドレスの位置がずれてるんじゃないか。圭ちゃんはいつもそういうとき、調子が悪くなる』みたいなことを言ってくれてね。昨年も同じような感じで、春先、調子が出なかったんですけど、なかなか自分では気付かない。でも、マルは僕よりも僕をよく知ってくれているから。彼が言ってくれたとおりに直してみたら、よくなってきたんです」(深堀)。
 電話で相手の状況を把握するのは、難しい。しかも、複雑なスイング理論を、実際に目で見ることなく、言葉だけで瞬時に理解し、アドバイスを与えるのは至難の技だ。それが、まるで、あ・うんの呼吸でできてしまう2人。遠く海を超えても切れることのない、固い絆が感じられる。

関連記事